Soft Compression Theory 低筋圧理論とは?

皮膚は人体の最も外側にあり、外界と人体との境界を形成し、保水や病原菌などをバリアしています。そして、皮膚は人体最大の臓器とも言われ、表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、表皮と真皮には多くの種類の触覚受容器があり、それぞれ異なる働きをしています。その触覚受容器の中で,真皮に存在するルフィニ終末は横方向への引っ張りの感覚を持続的に感じ、伝えることができるという機能を持っています。
一方、筋肉は、関節をまたいで骨に付着しており、始まりと終わりがあります。筋肉は収縮すると、始まりが固定点となり、終わりの部分が近づくという運動をします。筋肉は、終わりから始まりに向かって力を発揮することができ、反対に始まりから終わりに向かうと緩みやすく、力を発揮しにくくなるという特徴を持っています。 低筋圧理論は、この皮膚と筋肉の特徴を利用して、筋肉の発揮力や緊張を高めたり、低下させたりする方向を、ルフィニ終末を介して認知させ、筋肉の活動に変化を出すことができ、姿勢や動きが良好になる筋肉の部位や方向に的確に触れることで、スタイルや動きを演出することができます。
従来の圧迫させるインナーウェアは、圧迫にともない、関節の動きが制限されパフォーマンスを低下させる可能性があります。低筋圧理論による的確な部位、的確な方向、的確な圧力はパフォーマンスを高めるために重要です。

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なぜ低筋圧理論による体のケアが必要なのか?

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24時間必要な筋肉を動かし
正しい動きをするように筋肉を育てる。

人は地球から常に重力を受けており、私たちはその重力に抗して、立つ・歩くなどの動作を用いて日常生活を送っています。重力に抗して生活していくためには、良好な姿勢を保持し、関節の柔軟さや十分な筋力が備わっていることが必要です。しかし、現代は常に座ってパソコン作業を行う、スマートフォンを使用するなど頭を突き出し、背中が丸まっている姿勢をとることが多いと思います。この姿勢は、重力に抗するには不利であり、動くためでなく体を保つためだけに筋力を発揮させてしまっています。さらに運動不足が重なることで、姿勢保持や動くために必要な筋力は低下してしまい、硬くこわばった体に変貌してしまいます。
そのような体にならないためにも、日々のストレッチや軽運動は大切と言われていますが、多くは一時的な改善に過ぎず、座っての作業時間などが上回ると元に戻ってしまったり、さらに崩れたりしてしまうかもしれません。
 低筋圧理論による体のケアは、低圧のため座っているとき、立っているとき、歩いているとき、さらには寝ているときにでも皮膚を介して必要な筋肉や関節への刺激やサポートを入力し続けることができ、重力を保持するためだけに働いてしまう筋肉はゆるめ、動くために必要な筋肉に対しては発揮させるよう、皮膚と筋肉の関係を利用し、筋肉の活動性を変化させます。このことによって、良好な姿勢を保持しつつ、しなやかでかつ安定した歩行などの動作につなげることが可能になります。

低筋圧理論(Soft Compression Theory)の特徴

株式会社 KINETIC ACT 監修
01
低筋圧理論と骨盤

良好な姿勢を保つことやしなやかで安定した動きを行うためには、体幹の安定性、特にインナーマッスルが重要であると言われています。体幹にあるインナーマッスルには、横隔膜、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋があり、それらの筋肉が協調して活動することで構造上不安定な体幹を安定させ、さらには内臓を保護しています。これらの筋肉は、腹腔の上下・前後にある壁を作ることから、総称してインナーユニットと言われており、インナーユニットをバランスよく収縮させるためには、土台となる骨盤と腰椎の位置関係が重要となります。
 骨盤は左右1対の寛骨、仙骨、尾骨で構成されており、体幹の土台そして内臓を支える役割を担っています。
骨盤を安定させる方法は2つあります。1つは骨と靭帯で関節面の結合性を強固にして安定させる方法、もう一つはインナーユニットや骨盤周りの筋肉で安定させる方法です。前者はいわゆるコルセットであり、動きを制限させて安定させるため筋出力を必要としない方法です。この方法では、骨盤や背骨、股関節をスムーズに動かすことができなくなり、筋力は低下し動けない体になってしまいます。
よく言われるコルセットをつけていると筋力が低下しやすくなる、という話はこのことをさしています。
後者は、筋肉によって安定させる方法であり、骨盤周りの柔軟さやスムーズな動きができるなど、パフォーマンスをアップするには重要な方法です。
 低筋圧理論を用いることによって、インナーユニットだけでなく骨盤の安定に必要な筋肉への刺激やサポートを、皮膚を介して入力し続け、日常生活の中で行う、立つ、歩くなどの動作をする中でエクササイズをすることができ、さらに、そのエクササイズを通して良好な姿勢を保持することができることで、より骨盤の安定性に寄与する筋肉にアプローチをすることが可能となります。加えて日常生活の中にエクササイズ時間を作るとより効果が高まります。

02
低筋圧理論とスポーツ全般

スポーツでは、体を曲げる・ねじる・走る・跳ぶなど様々な動きが要求されます。この動きを作り出すためには、筋力や関節の柔軟性、敏捷性、バランス、各部位の安定性さらには身体認知機能などが多くの機能が必要とされます。特に必要となるのが動きだす前に働く、“前活動”という筋機能です。前活動は、人が何か動き出そうとしたときの少し前にあらかじめ必要な筋肉を無意識で活動させ、各関節部位を安定させ、良好な身体パフォーマンスを発揮するための準備をする機能です。さらにその機能は、パフォーマンスを良好にするだけでなく、スポーツ傷害の予防にも重要な働きをします。つまり、前活動を発揮する筋肉はプライマリーマッスル(体の安定性に関与する筋肉)であり、その中でも特に重要な役割をするのがインナーユニットになります。インナーユニットが働くことで、中心となる体幹や骨盤帯が安定し、腕を自由かつ力強く動かすことが可能になります。
インナーユニットは体幹や骨盤帯の姿勢を良好かつ安定させることで体全体の機能の向上を促すことができるようになります。ウェア等で圧迫を加えた安定性の確保では、自らの筋肉で支えることが少なくなり、さらに横隔膜や肋骨の運動性が低下することで呼吸は浅くなるため、インナーユニットの活動は低下してしまいます。このため表面にある筋肉で体を固定するよう身体は変化していき、スポーツパフォーマンス低下の要因になってしまいます。
よって、低筋圧理論を利用し、各部位にかかる圧迫は少ない中で体幹および骨盤帯を良姿勢に導く筋肉に働きかけ、スポーツで要求される動きをする前に、最初に働きの安定性を寄与するプライマリーマッスルであるインナーユニットを活動させ、良好なスポーツパフォーマンスを発揮できる状態に導くことが可能となります。

03
低筋圧理論(orインナーユニット)と姿勢全般

人は地球から常に重力を受けており、私たちはその重力に抗して、立つ・歩くなどの動作を用いて生活をしています。重力に抗して生活するためには、良好な姿勢を保持し、関節の柔軟さや十分な筋力が備わっていることが必要です。重力に抗するための代表的な筋肉は、頭側より脊柱起立筋、腹直筋などの腹筋群、腸腰筋、大殿筋、大腿四頭筋、前脛骨筋、下腿三頭筋であり、これらを姿勢保持筋といいます。これらの筋肉がバランスよく働くことによって、良好な立位姿勢を保つことが可能となります。
しかし、私たちは生活していく上で歩く・座る・寝るなど様々な動作を行っており、立位時に継続的に働く筋肉の活動のみでは動作を行うことはできません。動作を行うには、体の幹となる体幹が安定していることが前提であり、体幹の安定が確保されていると枝として出ている上肢や下肢がしなやかに動くことができるようになります。つまり、腹腔の上下・前後にある横隔、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋で作るインナーユニットが協調して働き、体幹を安定させていることが重要になります。
不良姿勢で知られている円背(猫背)姿勢では、腰椎が後弯し、骨盤が後傾しています。この姿勢になると骨盤上部は開き、インナーユニットの発揮力は低下し、体幹は不安定な状態になります。この不安定さを補うよう姿勢保持筋は過剰に働き、硬い体へと変化し、パフォーマンスは低下します。
姿勢保持や動作中に常に意識だけで必要な筋肉を働かせ続けることは大変難しく、日々の作業や疲れから働きやすい筋肉と働かせにくい筋肉ができるなどアンバランスが生まれます。人は今対応していることに集中するため、動作中に自分で意識し続けることが難しいという状況を、インナーユニットや姿勢保持筋に対し、低筋圧理論を利用することで、柔軟さを保つ必要がある関節や部位の筋肉はゆるめ、動作時に安定性に寄与する筋肉の活動性を高めるよう刺激し続けることが可能となります。
つまり、低筋圧理論によって過剰な圧迫や制限がなく、必要な筋肉が常にサポートされる状態は、効率よく静止立位や座位での良姿勢や動作中の良好な姿勢を獲得しやすいベストな身体環境を簡単に手に入れることができるようになります。