骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

骨盤の痛みを正しく理解し最善の改善策を!

定期的に骨盤に痛みを感じていたり、骨盤のある一部分のみ痛みを感じるなど、骨盤の不快感を経験したことはありませんか?骨盤は大きな骨であり、上半身と下半身を繋ぐ大切な部位。そのため、小さな痛みでも不定期な痛みでも、気になってしまいますよね。そこでこの記事では、骨盤の痛い場所別に、痛みの原因を詳しくご紹介します。自分に生じる痛みに照らし合わせて、原因を一緒に探っていきましょう。

目次

骨盤の痛い場所・痛いシーン別原因12選

骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

骨盤は大きい骨のため、痛む箇所は人によって様々です。痛む場所が違うということは、痛みの原因も違う可能性が高いということ。そこで本項では、骨盤の痛い場所や痛むシーン別の原因12選をご紹介します。

①骨盤の横が痛い(右)

骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

骨盤の横が痛いと感じる場合は、腸骨稜(ちょうこつりょう)の不調が考えられます。腸骨稜とは、骨盤を形成する三つの骨の一つである寛骨(かんこつ)の中に含まれる骨のことです。ハート型に見える骨盤の上部側に位置します。

腸骨稜の痛みは、成長期や激しいスポーツ後に発生する場合が多いです。成長期の痛みであれば、女性は14歳前後、男性は16歳前後が最も多いと言われています。ただし、ここで注意しなければならないのが、骨盤の右側だけが痛い場合です。成長期やスポーツによって生じる痛みは、左右対称に発生するわけではないものの、頻繁に右側だけが痛くなる場合は、別の要因を探る必要があります。まずは、骨盤の右側だけが痛くなる頻度や、痛みの種類を記録しておきましょう。

②骨盤の横が痛い(左)

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骨盤の横が痛い原因は、前項でご紹介したとおりです。その上で、左側だけが痛い場合に考えられる要因はいくつかあります。一つ目は、骨盤の歪みからくる身体の緊張状態です。骨盤が前後左右どちらか一方に偏っていたり、複数の要因から本来の位置から離れている場合、それらを補うために一部分に大きな負担がかかります。 骨盤の左横だけが痛い場合は、右側をかばい、左側に過度に負荷がかかっている可能性が考えられるのです。また、骨盤の左側には、大腸や子宮、尿管や膀胱など重要な臓器が多数集まっています。そのため、骨や筋肉の不調ではなく、臓器の不調も考えられるのです。まずは、本当に骨盤が痛いのか、骨盤周辺が痛むのか、痛みの場所を正確に把握してみましょう。

③片方の骨盤が痛い

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骨盤の片方だけが定期的に痛い場合は、仙腸関節障害など、仙腸関節(せんちょうかんせつ)の不調が考えられます。仙腸関節は、骨盤を形成する仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の中間にある関節です。強力なじん帯によって連結されています。

このじん帯が何かしらの原因で伸びきってしまったり、周辺の筋肉が硬くなってしまうと、痛みが生じるのです。特にデスクワークや長時間運転など、座っている時間が長い人ほど不調をきたしやすくなります。また、座っている際どちらか一方に体重が偏っている人や頬杖をついている人、横座りが多い人は片方の骨盤に痛みが生じやすくなるため、自分の日常生活を振り返ってみましょう。

④骨盤の後ろ側が痛い

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骨盤の後ろ側が痛い場合は、前項でご紹介した仙腸関節もしくは、仙骨の不調が考えられます。仙骨の捻挫や打撲など、比較的軽い要因が考えられる一方、臓器のトラブルを表している可能性もあるため注意が必要です。

骨盤の後ろ側が痛い場合、骨盤そのものではなく腰や背中下部が痛みを生じさせている可能性があります。その場合は、腎盂腎炎(じんうじんえん)、腎結石(じんけっせき)、尿管結石(にょうかんけっせき)、急性・慢性すい炎、すい臓がん、など多くの要因が考えられるため注意しましょう。他にも椎間板ヘルニアなど、病院での治療が必要とされる場合があります。

⑤右骨盤近くの痛み

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右側の一部分ではなく、右側全体に痛みを感じる場合は、筋肉の炎症や疲労の他、臓器の不調が考えられます。まず、右側全体が痛い場合、最も最初に考えられるのが血行不良による炎症や疲労の蓄積です。姿勢や運動不足が原因で生じやすくなります。

血行不良の場合は、触ると局部が冷たく、肌の突っ張りやこわばりも感じられるため非常にわかりやすいです。炎症を起こしている場合は、局部が熱く、ズキズキとした鋭い痛みを感じます。炎症が怒っている場合は、無理に揉んだり刺激をすると悪化する可能性が高いため注意が必要です。

⑥左骨盤近くの痛み

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骨盤の左側全体が痛い要因は、いくつか考えられます。臓器の不調、婦人科系の疾患、神経等の圧迫、骨盤の歪みから発生する痛みなどです。左側の骨盤の痛みは、前面のお腹側なのか、後面の背中側なのか、どちら側が痛むのかによっても原因が異なります。

特に、背中側の痛みには注意が必要です。左側の背中には、胃や膵臓(すいぞう)、腎臓(じんぞう)や脾臓(ひぞう)など重要な臓器があります。痛みに加えて、発熱や嘔吐なども生じている場合には、早めに専門医での診断が必要です。発熱や嘔吐等がなく、左側全体の重だるさのみであれば、血行不良や運動不足などの要因が考えられます。

⑦骨盤から下半身にかけて不快感がある

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骨盤から下半身にかけて不快感を感じる場合、骨や関節・筋肉の炎症、感染症、婦人科系のトラブルが考えられます。病院を受診するか否かの判断基準としては、歩行に支障が出ていないか、痺れを感じていないか、慢性化していないかの3つです。

歩行だけではなく、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ている場合は、早期の受診が必要になります。また、ズキズキとした痛みではなく痺れをともなう不快感は、神経系のトラブルも考えられるため、専門医による診断を検討するべきです。痛みが慢性化している場合は、生活習慣の見直しにより改善する可能性がある一方、状態を悪化させる可能性も高いため、一度病院の受診を検討しましょう。

⑧腫れやあざがともなう痛み

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腫れやあざがともなう骨盤の痛みは、外的要因による骨折や打撲の可能性が考えられます。たとえば、大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶこっせつ)、骨盤脆弱性骨折(こつばんぜいじゃくせいこっせつ)、骨盤疲労骨折(こつばんひろうこっせつ)、骨盤輪骨折(こつばんりんこっせつ)、寛骨臼骨折(かんこつきゅうこっせつ)などです。

局部に刺激を加えた際、激しい痛みが伴い、歩行や日常生活にまで影響を与えます。そのため、腫れやあざがともなう骨盤の痛みを感じた際は、できるだけ早く専門医を利用しましょう。年齢とともに生じやすい骨折もあるため、自分の年齢も加味し判断してくださいね。

⑨発熱やしこりをともなった痛み

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発熱やしこりをともなう骨盤の痛みには、壊死、骨折、感染症、臓器の不調、悪性腫瘍(がん)が考えられます。痛みの種類や特徴、発熱の頻度やしこりが発生した部位など、専門医でなければ判断が難しく、早期の受診が必要です。特に、骨頭壊死(おっとうえし)などの壊死は、急な痛みと緩和、症状の進行等があり、治療を始める早さがより求められます。

⑩妊娠中・産後の骨盤の痛み

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妊娠中または産後は、骨盤に痛みを感じやすい時期です。妊娠すると体重の増減やホルモン分泌の変化が生じます。ホルモン分泌により関節が柔軟化し、骨盤付近の関節も同様に、動きやすく負荷がかかりやすい状態になるのです。

また体重の増減は、姿勢の変化をもたらします。姿勢が変化すると、やはりこれまでとは違った部位に負荷がかかってしまうため、痛みが生じやすくなるのです。さらに、妊娠後期になると骨盤周りのじん帯や筋肉が緩み、それにともなう痛みも増していく場合があります。産後は、緩んだ骨盤や周辺のじん帯、筋肉が元に戻ろうと活発に動くため、その際も痛みが発生するのです。妊娠中や産後の骨盤の痛みは、人によって様々であり、全く感じない人もいれば、長期的に続く人もいます。

⑪女性特有の骨盤の痛み

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骨盤の痛みは、膣、子宮頚部、子宮、卵管及び卵巣など、女性特有の臓器が要因で発生する場合があります。女性特有の骨盤の痛みは、月経周期によって判断できます。主に、排卵日、月経前後に多く生じるため、自分の月経周期を正しく把握してみましょう。

ただし、月経時の骨盤と骨盤周辺の不快感は、人によって様々です。生理周期が不規則な人は、周期の把握がそもそも難しく、骨盤の痛みがいつ発生するのか、どの程度の痛みなのか想定することは困難となります。また、月経周期とは関係なく、婦人科疾患により痛みが生じるケースもあるため注意が必要です。子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)、卵巣嚢胞(らんそうのうほう)、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)、骨盤内うっ血症候群などは、女性特有の骨盤に関する痛みの要因となります。

⑫歩けないほどの骨盤の痛み

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歩行が難しくなる程の骨盤の痛みを感じた際は、速やかに専門医を受診しましょう。骨盤そのものが痛むと感じる場合は整形外科、月経周期に関する痛みや妊娠の可能性が考えられる場合は、産婦人科または婦人科です。

骨盤の痛みを解消する方法

骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

本項では、骨盤の痛みを解消する具体的な方法をご紹介します。骨盤の痛みは、安静にしていれば治まる場合がある一方、早期に正しい方法を利用し解消することが望ましい場合もあるのです。自分の痛みや頻度、状況に合わせ、適切な方法を選択してくださいね。

生活習慣の見直し

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骨盤が痛くなる原因は、座り姿勢や立ち姿勢など、姿勢の良し悪しによって発生する場合があります。座っている時間が長い人や、立つとき重心がどちらか一方に偏る癖を持っている人は、生活習慣の見直しを行ってみましょう。

また、体重の増減も骨盤が痛くなる原因であり、生活習慣に深く関わっている部分です。骨盤は、歩行時の衝撃を吸収し身体の負担を軽減する部位なのですが、衝撃は体重によって増加するため適正体重を維持するように努めましょう。ただし、体重が軽い人ほど骨盤にメリットがあるわけではありません。軽すぎる体重は、骨粗鬆症など骨や筋肉の正常な発達、維持を妨げる要素となるため、あくまでも適正体重を目標にする必要があります。

自分でストレッチ

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骨盤矯正ストレッチと呼ばれる、自分で行えるストレッチ法が多数存在します。筋肉の硬直や外的要因による骨盤の痛みに有効です。ただし、骨盤が痛い原因を正しく把握していなければ、状況を悪化させる可能性があります。まずは、自分の骨盤の痛みがどうして生じているのか、原因を正しく把握するところから始めましょう。状況を把握している人は、下記記事を参考に骨盤矯正ストレッチを行ってみてくださいね。

骨盤矯正グッズの使用

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科学の進歩により、骨盤矯正グッズが多数登場しています。下着として着るだけの物や、数分で効果を発揮するコンパクトなグッズなど、それぞれのライフワークに合わせて使用できるところが大きなメリットです。

また、一度購入すると長く利用できるため、コスパも悪くありません。ただし、骨盤矯正グッズは数多く販売されているため、自分に合う製品を見つけることは容易ではないでしょう。自分の状況を正しく把握し、骨盤のどこの部位が痛むのか、またどういった瞬間に不快感を感じるのか理解したのち、最適な骨盤矯正グッズを購入するようにしましょう。

整体・病院

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骨盤の痛みが日常生活に影響を与えるようになった人は、整体もしくは病院への通院を検討する必要があります。たとえば、自転車をこげなくなった、長時間の運転が辛い、荷物を持った状態で歩けないなどです。

これまで行ってきた動作が、痛みによってできなくなったまたはやりづらいと感じた人は、整体もしくは病院を受診しましょう。病院を受診する際は、整形外科です。ただし、女性の場合は女性特有の状況が関係している場合もあるため、婦人科や産婦人科も適しています。

骨盤の痛みを正しく理解し最善の改善策を!

骨盤の痛み・場所別の原因12選を一挙解説!不快な骨盤の痛みを解消する方法もご紹介

骨盤の痛みは、人によって大きく異なります。また、痛みや動きにくさを感じていても、見て見ぬふりをする人も珍しくありません。しかしながら、骨盤の痛みは悪化する可能性があり、大きなトラブルが隠されている場合もあります。

そのため、痛みに応じて早期に最善の改善策を実施しなければなりません。まずは、自分の痛みと向き合い、状況を的確に把握してみましょう。必要に応じて骨盤グッズや整体、病院を使い分け、快適な生活を取り戻してみてくださいね。