骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型は改善できる!

骨盤後傾は、腰痛やストレートネックなど、様々な不調を引き起こします。後傾のまま対策をせず過ごしてしまうと、悪化し身体全体に悪影響を与えることも…。しかしながら、骨盤後傾を知らない人も多く、自分自身が骨盤後傾になっていると気付かない人も非常に多いです。そこでこの記事では、骨盤後傾とはどのような状態なのか、なぜ骨盤後傾型になるのか、それぞれ詳しくご紹介します!後項では、骨盤後傾の正しいケア方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

骨盤後傾型チェック

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

まずは、自分の身体が骨盤後傾になっているのか否かチェックしてみましょう。

骨盤後傾とは

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾とは、上半身を下半身を繋ぐ大きな役割を担っている骨盤が、通常よりも後ろに傾いた状態のことです。長時間座って作業を続けるプロゲーマーや事務職、エンジニアやCADオペレーターなどに多く生じています。また、猫背になり頭が垂れ下がった状態になるため、実際の数値よりも身長が低く自信がなさそうに見られがちです。

骨盤後傾チェック

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

壁に立ち、後頭部、肩、背中、かかとをつけてください。左右どちらの手でも構いませんので拳を握り、壁と腰との間に手を差し込みます。この時、拳がすんなりと収まる場合は、骨盤前傾型です。骨盤は入らないが、手のひらがスムーズに入れられる場合は、正常な骨盤だと評価できます。骨盤の位置に問題はなく、身体に大きな不快感はないでしょう。

壁と腰との間に手のひらさえ入れるのが難しい場合は、骨盤後傾型の可能性があります。骨盤前傾型の人は、本記事ではなく下記記事を参考に自分の身体を理解してみてくださいね。

骨盤後傾型になる原因5つ

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型になる原因には、いくつか考えられます。そこで本項では、骨盤が後傾型になる原因5つを詳しく解説していきましょう。自分の日常生活を想像し、いくつ当てはまるかチェックしてみてくださいね。

①座り方が浅い

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾になる原因として、座り方の浅さが考えられます。椅子に浅く腰掛ける姿勢は、一見すると背筋が伸び、正しい姿勢のように感じられるでしょう。しかしながら、座り方が浅いと反り腰になりやすく、背中の下部から腰にかけて大きな負担となります。さらに姿勢のバランスを保つため首と肩が前に出やすくなり、骨盤が後傾しやすくなってしまうのです。

②脚を組む

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

座った際、脚を組む姿勢も骨盤を後傾させる原因の一つです。脚を組んだ際、どちらか一方の脚が上になるのですが、その上になった脚側の骨盤が後傾しやすくなります。また、後傾した骨盤に引っ張られるように腰や背中も丸くなり、骨盤後傾の典型姿勢である猫背になってしまうのです。

さらに、後傾が加速し歪みやすいのも特徴となります。左右対称に脚を組み替える人は少なく、どちらか一方に偏った脚の組み方をする場合がほとんどでしょう。そのため、左右どちらか一方に極度の負荷がかかり、バランスを保とうと骨盤が歪みやすいのです。

③筋肉不均衡

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

筋肉不均衡状態も、骨盤後傾の要因です。不均衡とは、一部分の筋肉が発達し、ある一部分の筋肉が発達しきれていない状態を表します。たとえば、太ももの裏の筋肉(ハムストリング)が大きく、太ももの表面筋肉(大腿四頭筋)はそれほど発達していないなどの状態です。

太ももの裏側の筋肉が過度に発達していると臀部の筋肉が引っ張られ、下腹部が突き出すような姿勢になります。ともなって背骨が下向きに下がるため、骨盤が後傾し猫背になってしまうのです。

④筋力低下

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

筋肉と骨は、密接に関係しています。骨格筋と呼ばれる腱(けん)により骨どうし結合され、筋肉が縮むと一方の骨が支え、もう一方の骨が可動するという仕組みです。そのため、筋力の低下も、骨盤後傾に深く関わっています。

特に、大殿筋(だいでんきん)、腹筋(ふっきん)、腸腰筋(ちょうようきん)、大腿直筋(だいたいちょっきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の硬直または弱化が要因です。

⑤骨密度の低下

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

高齢者や痩せすぎている人の骨密度低下も、骨盤後傾の発生率を上昇させる要因です。骨密度が低下すると姿勢が崩れやすく、また維持も難しくなるため骨盤が後傾しやすくなります。さらに骨密度の低下は、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折などのリスクを高め、姿勢異常による骨盤後傾の悪化も懸念される重要事項です。

骨盤後傾型のデメリット7つ

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型には、様々なデメリットがあります。本項では、骨盤後傾型の代表的なデメリット7つをご紹介しましょう。日常的に下記症状が発生していないか、確認しながら読み進めてみてくださいね。

骨盤後傾型のデメリット①頭・首

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型は、極度の猫背になりやすく、頭や首が垂れさがります。前方に突き出された状態になるため、首や肩がこりやすくなるのが特徴です。首や肩がこると血流が滞り、頭痛や眼球疲労を感じるようになります。また、顔が大きく首が短くなるまたは、顔が大きく短く見えやすくなるのがデメリットです。

骨盤後傾型のデメリット②胸が垂れる

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型は、助骨(ろっこつ)が地面に引っ張られるように下向きになります。そのため、肩が巻き気味になり胸が垂れさがりやすいのがデメリットです。また、背中が常に張った状態になるため、肩から肩甲骨付近、背中の広範囲が凝りやすくなります。

骨盤後傾型のデメリット③お腹が出る

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

長期的に骨盤が後ろに傾いた状態が続くと、骨盤付近にある重要な臓器が下に下がりやすくなります。その結果、お腹が前にぽっこりと膨らみ、ウエストがなくなってしまうのです。また、骨盤後傾型は腹筋が弱化することでも生じるため、より一層お腹が出やすい状態となります。

骨盤後傾型のデメリット④股関節のズレによるO脚X脚の懸念

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤には、股関節(こかんせつ)と呼ばれる大きな関節が密着しています。股関節は身体の中で最も大きな関節の一つであり、下肢と骨盤を繋ぐ重要な役割を持つ箇所です。つまり骨盤が後傾型になると、股関節も本来あるべき位置とは異なる場所に落ち、それにともなって下肢の形状が崩れやすくなります。

股関節に連なるふとももの骨である大腿骨(だいたいこつ)の向きや角度が変化し、O脚(内反膝)と呼ばれる外側に湾曲した形や、X脚(外反膝)と呼ばれる膝が内側に湾曲した形状になってしまう恐れがあるのです。O脚、X脚どちらも正常な形状ではないため、膝や太ももの特定の場所に過度な負担がかかってしまいます。そのため、血流が滞りやすくなったり、運動能力が低下したり、様々なデメリットを引き寄せることになってしまうのです。

骨盤後傾型のデメリット⑤膝を痛めやすい

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

前項でご紹介した股関節のズレにより、骨盤後傾型は通常時よりも膝を痛めやすい状態です。股関節が本来あるべき位置からズレてしまうと、可動性が悪くなってしまいます。スムーズに動かしたり、それらを自分の意思でコントロールすることが難しい状態です。

骨盤は、歩行時の衝撃を上手く吸収できなくなり、代わりに膝が補うことになります。本来膝に発生する負担ではないため痛みやすく、半月板損傷や変形性膝関節症など大きなトラブルにまで発展する恐れがあるのです。

骨盤後傾型のデメリット⑥腰痛・肩凝り

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤の位置が正常の場合、横から見た人間の身体は緩やかなS字カーブを描きます。どこか一点に負担が集中することがなく、身体に痛みが生じにくい状態です。しかしながら、骨盤の位置が後傾すると、頭部が前のめりになり肩から背中上部にかけて後方に引っ張られているような姿勢になります。さらに、身体のバランスを保つため腹部と膝が前にせり出し、通常のS字カーブとは真逆の状態です。

通常のS字カーブと真逆の状態になると、本来かからないはずの負荷があらゆる場所にかかってしまいます。特に肩、背中、腰、膝です。そのため、慢性的な腰痛や肩こりが生じやすくなります。また背中の収縮力が機能しにくくなり、肩甲骨の動かしにくさや痛みも発生するため注意が必要です。

骨盤後傾型のデメリット⑦自律神経症

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤の後傾は、自律神経に影響を与える可能性があります。自律神経とは、血圧や呼吸数、臓器の調整など、身体を維持する重要な役割を担う神経系です。本人の意識に関わらず、自律的に調整する機能を持っています。言い換えれば、自分の意思の機能改善は難しいということです。

そんな生命維持に欠かせない自律神経は、精神的・身体的ストレスや生活習慣によって乱れます。骨盤後傾の痛みや過度な負荷によりストレスを感じ、自律神経が正常に働かなく可能性もあるのです。さらに、自律神経の一部は背骨(脊髄)を通っているため、正常時とは真逆の状態に変形した骨盤後傾型の背骨では、上手く作用しにくくなります。

整体・病院

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾型になると、様々なデメリットが生じます。身体の痛みや不快感だけではなく、日常生活そのものに大きな影響を与える事柄もあり、注意深くそして早期の対処が必要です。そこで本項では、骨盤後傾の治し方をご紹介します。自分一人で簡単に行えるものからプロの活用まで、詳しくご紹介しますのでぜひ参考にしてくださいね。

座り方

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾は、座り方を変えるだけで徐々に正常に戻すことができます。ポイントは、座る際の意識です。”正しい座り方”と聞くと背筋を伸ばすイメージを持つ人が大半です。しかしながら、正しい座り方は背筋を伸ばすことではありません。骨盤を立てることを意識し、地面に対して水平に体重を乗せることです。骨盤を立てる座り方や、骨盤を立てるとはどういう状態なのか詳しく知りたい人は、下記記事を参考にしてくださいね。

寝ながらできるストレッチ

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

両手を広げ、仰向けに寝転がります。この時、手のひらを床に密着させ、肩や腕も床から離れないように意識しましょう。次に、両膝を90度に曲げ、左右に10秒ずつ倒します。最初は5秒など、倒す時間を短くしても問題ありません。息を吐きながら倒すと、背中や腰が楽になります。動作中、肩や腕、手のひらが床から離れないように意識しながら、左右5回~10回繰り返すだけです。

筋トレ

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾には、筋トレもおすすめです。太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、お腹の中心部にある腸腰筋(ちょうようきん)を鍛えると、ハムストリングの柔軟性が高まり、骨盤を正しい位置に戻し維持できるようになります。

ストレッチポール

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾は、筋肉の硬直による筋肉不均衡が要因の場合もあります。そのため、ストレッチポールなどのアイテムを使用し筋肉の緊張をほぐすだけでも有効です。また、ストレッチポールは骨盤の歪みにも効果的なアイテムのため、長期的に続けるとより不調を改善できる可能性があります。ただし、使い方を間違えてしまうと骨盤後傾を悪化させたり、身体に不調を与える場合があるため、使い方には十分に注意しましょう。

整体

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤後傾や歪みは、整体に通うことで改善させることも可能です。骨盤の重要性が認知されるようになった近年では、骨盤に特化した整体院も多く誕生しています。通う期間は施術者によって異なりますが、一般的に2カ月~3カ月程度です。後ろに傾いた骨盤は癖になっている場合が多いため、整体で整えても数日で元の状態に戻る場合があります。そのため、一定期間通うのがおすすめです。

骨盤後傾型は改善できる!

骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つ

骨盤は何気ない日常の習慣により後ろに傾きやすく、癖になると様々な不調の引き金になることがわかりましたね。自分が骨盤後傾だと気づいた人は、すぐに改善策を取り入れてみましょう。また、改善策を取り入れるだけではなく、日常生活の見直しも同時に行ってみてください。骨盤後傾になる原因は、脚を組む、座り方、運動不足など日常生活が関係しています。そのため、日常生活も一緒に改善するのが最善策ですよ。