骨盤を正しい位置に戻すと多くのメリットがある!
あなたの骨盤は、正しい位置にあるでしょうか。程度の差はあるものの日本人の多くは骨盤の位置がずれており、日本人女性に限定した調査では約90%もの人々に骨盤の不調が確認されています。そのため、骨盤を正しい位置に戻す方法を知りたいと思っている人は非常に多いです。そこで本記事では、骨盤を正しい位置に戻す方法をご紹介します。また、自身の骨盤が正しい位置にあるのか、間違った位置に固定されているのか確認する簡単な方法もご紹介しますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
目次
骨盤の歪みチェック方法
まずは、自分の骨盤が歪んでいるのか、また正しい位置にあるのか確認してみましょう。骨盤の位置を確認する方法は、いくつか存在します。本項では、より骨盤の状況がわかるチェック方法を3つご紹介しましょう。
壁チェック
壁チェック法は、最もスタンダードな骨盤の位置を確認する方法の一つです。壁に背中をくっつけて立ちます。その際、後頭部、肩甲骨、臀部の3か所が壁にぴったりとくっついていることが望ましいです。肩甲骨と臀部のちょうど中間地点に、壁との隙間ができます。
この隙間が広すぎれば骨盤前傾型、狭すぎる人は骨盤後傾型です。隙間の確認は、手のひらと拳で行います。握った拳がスムーズに隙間に収まる場合は、広すぎるため骨盤前項型です。手のひらさえ入れる隙間がない人は、骨盤が後方に傾いている骨盤後傾型となります。拳は入らないが、手のひらは余裕で入る場合、骨盤中立型です。骨盤が正しい位置にあり、身体への悪影響もほぼないと考えて問題ありません。
お尻歩きチェック法
両足を伸ばし長座の姿勢で床に座ります。左右どちらから始めてもかまいませんので、お尻を浮かせながら左右に移動してみましょう。どちらか一方が進みづらいと感じたり、一方のみ臀部が床と擦れる感覚があれば、骨盤の位置に左右差があると考えられます。左に傾いているまたは、右に傾いているなどです。
また長座の姿勢で座るのが難しいと感じる人は、骨盤後傾型の可能性が高いと判断できます。骨盤が後ろに偏っている状態です。長座の姿勢で背中を伸ばすのが難しい人や骨盤が立てられない人も同様です。骨盤を立てるとはどういう状態か気になる人は、下記記事を参考にしてくださいね。
靴底チェック
日常生活の中で、最も頻繁に使用する靴の底を使って骨盤の位置を確認する方法です。靴の裏を確認し、すり減っている場所を確認してみましょう。靴底の外側のかかと部分のみがすり減っていれば、骨盤は正しい位置にあると考えて問題ありません。
つま先寄りの中心部分がすり減っている人、または左右の外側のみがすり減っている人は、骨盤後傾の可能性があります。靴底の内側がすり減っていた場合は、骨盤前傾の可能性が高いです。左右非対称のすり減りがあれば、骨盤の位置が左右非対称になっている可能性が高くバランスが崩れています。
靴底チェックを行う靴は、ピンヒールやローファーなど靴底が特殊な形は避けましょう。極端な厚底も歩き方が通常時とは異なるため、スニーカーなど楽に歩ける靴でのチェックが望ましいです。
骨盤が間違った位置にあるとどうなる?
骨盤が間違った位置にあると、様々な不調が発生します。骨盤周辺や下半身だけではなく、上半身や臓器の働きなど、影響は全身に及ぶのです。そこで本項では骨盤が間違った位置にあるとどのようなデメリットが発生するのか詳しくご紹介します。
エネルギー代謝が低下する
骨盤の歪みが招くデメリットの1つは、エネルギー代謝の低下です。骨盤には、上半身を支える背骨や下半身を動かす大腿骨などが連なっています。骨盤の位置がずれたり歪んだりすると、連なる大きな骨も本来の位置からずれ、血流が滞るなど循環器系が不調をきたすようになるのです。
さらに、周辺にある大切な臓器がエネルギー代謝不足により機能不全を起こし、より一層体内の循環環境が悪化していきます。また、エネルギー代謝が低下するということは、ダイエットや筋トレの効果が表れにくいことを意味するため、ストレスの増加もデメリットだと言えるでしょう。
むくみやすい
骨盤の歪みや位置のずれは、体内の循環器系に影響を与えます。骨盤の歪みによって筋肉のバランスが崩れ、血液やリンパの流れが悪くなりやすいのです。さらに血流不足により筋肉が冷え、緊張状態になります。老廃物の排出も難しくなり、エネルギー代謝の低下と同様に、悪循環が続いてしまうため注意が必要です。
疲れやすい
骨盤の歪みや位置のずれは、疲れやすい状態を作り出します。疲れやすい状態になる要因は2つです。1つ目は、前項でご紹介した血流不足。血液は疲労物質を運ぶ役割も担っているため、滞ると身体は回復が難しくなってしまいます。
2つめの要因は、不必要な負荷が発生するためです。骨盤の歪みは、上半身・下半身どちらの形状にも影響を与えます。本来では負荷がかからない場所に極度の負荷が集中したり、負荷が加わった部位をサポートしようと硬化状態が続き、疲れやすくなるのです。
腰痛・肩こり
骨盤が正しい位置にないと、様々な場所に痛みが生じます。前項でもご紹介したとおり、本来であれば負荷がかからない場所に負荷が偏ってしまうためです。また、痛い腰や肩をかばうため、頬杖をついたり、どちらか一方に体重を乗せる人もいますね。こうした行為によって、骨盤の状況はさらに悪化し悪循環となるため注意が必要です。
生理痛の悪化
骨盤の歪みや偏りは、ホルモンバランスを崩し自律神経を乱す原因になります。女性の場合、ホルモンバランスが崩れると婦人科系のトラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。生理痛の悪化やPMSの変化など、日常生活に多大なる影響を与えるため、骨盤の状態は意識し続けなければならない要素です。
また自律神経の乱れは精神的不調を引き起こすため、男性女性共に注意しなければなりません。不安症状やうつ症状など、長期的な不調の要因になってしまう可能性もあります。
尿漏れ・便秘
骨盤の位置がずれると、骨盤周辺の臓器だけではなく骨盤底筋への負担も増加します。骨盤底筋とは、膀胱を支える重要な筋肉です。排泄コントロールを行う場所であり、尿道や肛門を締めたりゆるめたりする役割を持っています。
この骨盤底筋への負担が増すと、排泄コントロールが難しくなってしまうのです。尿漏れや便秘になり、社会生活が難しくなるほど悪化するケースもあります。そのため近年では、骨盤底筋を鍛えようといった動きも活発化し、その過程で骨盤の重要性も知られるようになりました。
骨盤を正しい位置に戻す方法8選
骨盤が正しい位置以外にあると、様々な不調が発生すると判明しました。軽度な痛みの場合もあれば、日常生活が送れなくなるほどの不調もあります。そこで本項では、骨盤を正しい位置に戻す方法を8つご紹介しましょう。今回ご紹介する方法は、1つの方法だけでも十分に変化を感じられますが、複数の方法を継続するとより効果的です。ぜひ、自分に合う方法を試してみてくださいね。
座り方
椅子の座り方を改善するだけでも、骨盤を正しい位置に戻すことができます。椅子があればいつでも実施できるため、事務職やオペレーターの仕事をしている人におすすめの方法です。
まず、椅子の背もたれに背中が付かない程度に深く腰掛けます。椅子の座り方が浅すぎると、骨盤が前後に傾きやすくなってしまうため注意が必要です。座る際は、骨盤を立てることを意識しましょう。正しい座り姿勢と聞くと、背筋を伸ばす、顎を引くなどのイメージがありますが、正しくは骨盤への意識です。骨盤を立てるとはどういう意味なのか詳しく知りたい人は、下記記事を参考にしてくださいね。
自分でストレッチ(寝ながら)
自分でできる寝ながらストレッチをご紹介します。うつ伏せになり、両手の上に顎を乗せましょう。続けて、両膝を90度に曲げます。90度に曲げた膝は、肩幅程度に開いておくのが理想です。
左右どちらか一方の脚を内側に倒します。反対側の脚に近づけるイメージです。反対側の脚は、天井に向けたまま固定しておきます。倒しておく時間は2秒程度で問題ありません。これを左右で繰り返し、それぞれ10回行えば完了です。内側に倒すのが難しい場合や痛みを感じた際は、無理に続けないでください。
自分でストレッチ(仰向け)
自分でできる寝ながらストレッチの2つ目をご紹介します。前項のストレッチはうつ伏せでしたが、今回のストレッチは仰向けで行います。
両膝を抱えながら、仰向けに寝転がりましょう。左右対称になるように、右回り、左回りと股関節をゆっくり回します。骨盤が前後に傾いている人は、仰向けに寝ころんだ際、背中に痛みを感じやすいため、無理のない範囲で行ってください。痛みを感じる際は、枕やタオルを折りたたんで挟むと楽になりますよ。
自分でストレッチ(立ったまま)
次は、立ったまま行えるストレッチをご紹介します。脚を肩幅程度に開きましょう。腰に手を置き、左右それぞれ30回ずつ大きく腰をまわします。呼吸を止めないように意識し、ゆくりと回すのが効果的です。
通勤中にできるストレッチ(立ったまま)
電車などの通勤中にできる、立ったままのストレッチ方法をご紹介します。まず、脚を肩幅程度に開きましょう。スペースがない時は、握りこぶし1個分ほど開いていれば問題ありません。
次に、肛門を腹部に持ち上げるイメージで、締めあげていきます。この時、呼吸は止めずに吐き切るよう意識しましょう。締めあげた肛門を緩める際は、息を吸い込みます。この動作を、5回~10回繰り返してみましょう。
筋トレ
骨盤の歪みや位置のずれは、筋肉不足で生じる場合があります。そのため、筋トレは有効な方法です。骨盤周辺の臀部、大きな筋肉が集まっている太もも、腹筋及び背筋を意識して鍛えるようにしましょう。
注意点としては、バランスを意識することです。筋肉に偏りがあると、骨盤にかかる負荷が不均等になり前後左右に傾きやすくなってしまいます。また腹筋と背筋のバランスが崩れると、反り腰や猫背などになってしまうため、バランスよく鍛えることを意識しましょう。
整体
関節や骨格など専門的知識を持つ整体師に頼る方法も有効です。特に、国家資格である柔道整復師を有する整体院であれば、的確なアプローチが期待できます。デメリットとしては、複数回通わなければならないところです。
整体師により骨盤が正しい位置に戻ったとしても、それは一時的でしかありません。2カ月~3カ月程度通い続け、ようやく骨盤が正しい位置で安定し始めます。そのため、無理なく通える位置にある整体院を探してみましょう。
ヨガ
ヨガには、筋肉や関節をリラックスさせる動きが多く、硬化による骨盤の異常に効果的です。また骨盤を正しい位置に戻すストレッチとも近しい動きがあるため、有効な手段の一つと言えるでしょう。
また、筋トレとは違い、性別や年齢問わず実施できるのがメリットです。筋トレは、年齢や運動習慣等によって、ケガや損傷のリスクがあり、骨盤の状態を悪化させる可能性も考えられます。一方ヨガは、適度な負荷で身体全体をリラックスさせる作用も期待できるため、これまで運動習慣がなかった人や年配層におすすめの方法です。
矯正グッズ
骨盤を正しい位置に戻す方法として、骨盤矯正グッズの使用がおすすめです。骨盤矯正グッズは、購入費用は発生するものの、一度購入すればその後費用は発生しません。さらに、自分のペースで矯正できるため、忙しい人にも最適です。
ただし、骨盤矯正グッズはポール型やコルセット型、インテリア型など多種多様に販売されているため、自分に合った製品を見つけることは少々難しいかもしれませんね。
骨盤を正しい位置に戻すと多くのメリットがある!
骨盤を正しい位置に戻すことで、多くの不調が改善されます。ただし、自分の骨盤の状態を正しく理解しておかなければなりません。骨盤前傾の人が骨盤後傾型の矯正トレーニングを行っても意味がなく、左右に歪んでいる人が骨盤前項用のストレッチを行っても変化が見られないためです。まずは、自分の骨盤が正しい位置にあるのか、正しい位置にない場合どちらに傾いているのかなど詳しく理解していきましょう。そして、自分に最適な方法を実践し、日常生活を快適に変化させてくださいね。