骨盤を立てる方法を実践し生活を改善しよう
健康や美容のトレンドである”骨盤を立てる”をご存じでしょうか。意識しているかしていないか、実施できているかによって、日常生活もスタイルも大きく変わってきます。ところが、「骨盤を立てるとはどういうこと?」と悩んでいる人は多く、実践できていない人も…。そこでこの記事では、骨盤を立てるとはどういうことなのか、方法やポイントを詳しく解説します!骨盤を立てるメリットについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
骨盤を立てるとはどういうことかわからない…
地上波メディアやWebメディア、有名インフルエンサーたちがこぞって”骨盤を立てる”と発信しているのに、肝心の方法がわからないと悩んでいる人は非常に多いです。また、”骨盤を立てる”の認識を間違えている人もいます。そこで本項では、骨盤を立てるとはどういうことなのか、具体的な状態を解説していきましょう。
骨盤を立てるとは?
骨盤を立てるとは、左右前後均等に圧力をかけた状態を維持することです。骨盤が前後どちらか一方に偏っている状態は、骨盤が立っているとは言えません。また、左右どちらか一方に体重が乗っている状態もNGです。
具体的には、3つの基準があり、これら全てを満たしていると骨盤を立てられていると認識できます。
1.骨盤上部の腸骨稜(ちょうこつりょう)が地面に対して平行である
2.上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と恥骨が地面に対して垂直である
3.座る際、左右の坐骨(ざこつ)に均等に圧力がかかっている
腸骨稜は骨盤の上部にある大きな骨であり、パンツを履く際に引っかかる骨です。この骨が左右どちらも地面に対して平行である必要が有ります。上前腸骨棘は、骨盤の横にある最も突出した部分です。へそから斜め下45度付近にあり、手で触ると確認できます。恥骨は、へそとアンダーヘアーの間にある骨です。両手の親指をへそに当て、アンダーヘアーに向かってゆっくりと下ろしてみてください。途中で硬い骨に触れられたら、それが恥骨です。確認できた上前腸骨棘と恥骨を結ぶラインを思い描き、それが地面と垂直になっているか確認してみましょう。3つ目の基準である坐骨は、臀部の下部にある最も突出した部分です。座り姿勢のまま臀部を前後に揺らすと、ゴリゴリと左右に当たる骨がありませんか。それが坐骨です。座っている最中、坐骨に均等に圧力がかかっていない人は、骨盤が立てられていない可能性があります。
■骨盤を立てるメリット
骨盤を立てるには、骨の位置を正しく把握する必要があります。また、圧力が正しくかかっているかなど確認するべき項目が複数あり、めんどうに感じるかもしれませんね。しかしながら、骨盤を立てるとメリットがたくさんあります。そこで本項では、骨盤を立てるメリットを詳しく解説していきましょう。
姿勢の改善
骨盤を立てるメリットの1つ目は、姿勢の改善です。立ち方でも座り方でもかまいませんので、自分の姿勢を想像してみてください。肩が前方向に倒れていませんか?顎が上がり、胸部が前に突き出していませんか?骨盤が前傾・後傾どちらかに偏っている可能性があり、姿勢が悪い状態です。
骨盤を立てると、骨盤前傾・後傾が改善され、ともなって正しい姿勢を維持することができます。姿勢を改善すると外部からの見栄えが良くなるだけではなく、骨や筋肉への負担を軽減できるのです。
疲労感の軽減
骨盤を立てるメリットの2つ目は、疲労感の軽減です。前項でも解説したとおり、骨盤が立っていない状態では、正しい姿勢が維持できません。間違った姿勢で生活を続けると、骨や筋肉に過度な負担が集中します。
さらに、骨や筋肉の付近のリンパや血液の流れを妨げ、疲労感が溜まりやすくなるのです。また、疲労感が溜まるだけではなく、解消しにくくなるのも大きなデメリットでしょう。老廃物を体外にスムーズに排出できなくなり、むくみや便秘、肌荒れ等様々なトラブルの原因になります。
肩こり・腰痛予防
骨盤を立てるメリットの3つ目は、肩こりや腰痛等の痛みの予防です。骨盤を立てないと、正しい姿勢が維持できません。間違った姿勢で過ごすと、本来は発生しない負荷が各所に加わるようになります。肩や腰など負担の大きい部位から痛みが発生しやすく、長期的であることも特徴です。
さらに、肩や腰にかかる負担を軽減しようと、他の部位が本来とは異なる役割を担うようになります。その結果、負担が大きい肩や腰だけではなく、肩甲骨や腕、肘など他の部位も痛みを発するようになってしまうのです。
血流アップ
骨盤を立てるメリットの4つ目は、血流アップです。骨盤を立てると正しい姿勢を維持できるようになり、全身を巡る血流もスムーズになります。血流がスムーズになると、冷え性やむくみが改善されるため、特に冷え性やむくみに悩む人には大きなメリットです。また、老廃物の排出もスムーズになり、腸内環境の乱れや代謝低下も防げます。
スタイルの変化
骨盤を立てるメリットの5つ目は、外見的な変化です。骨盤が立っていないと、骨盤前傾または後傾になったり、左右の歪みが発生します。真っ直ぐ立っているはずなのに、第三者からは前後左右に傾いているように見えるのです。また猫背や反り腰になりやすく、”自信がなさそう””偉そう”など、ネガティブな印象をもたれてしまいます。
骨盤を立てると姿勢が改善され、第三者に与える印象がポジティブに変化するのです。さらに、血流やリンパの流れが改善されることによるボディメイク作用も大いに期待できます。筋トレやダイエットの効果がハッキリと表れるようになり、モチベーション向上も大きなメリットです。
骨盤を立てる方法7選
骨盤を立てると、自分の日常生活に関わる不調が改善されるだけではなく、外見の変化によるポジティブな印象に繋がることも判明しました。しかしながら、骨盤の立て方がわからない人は非常に多く、悩みを抱えているのが実情です。そこで本項では、骨盤を立てる方法8つを詳しくご紹介します。簡単に立てる方法から、矯正グッズを使用する方法までご紹介しますので、ぜひ自分に最適な方法を選択してくださいね。
①姿勢
道具や費用が一切必要なく、今すぐに始められる方法です。腹部に力を入れ、肛門を締めるよう意識しましょう。立ち姿勢でも、座り姿勢でも共通です。同時に、肩に力が入っていないか確認してみましょう。肩に力が入ると縮こまり、猫背になってしまいます。
最初は、骨盤の位置が定まらないような不安定さを感じるかもしれません。しかしながら、意識して続けていくと骨盤が固定されます。また、慣れてきたら腹部全体ではなく、へその下にある丹田(たんでん)に力を入れるようにしてみましょう。丹田に力を入れると、腹部全体が引き締まり、自然に骨盤が立ちやすくなります。姿勢への意識は、1日何分といった制限はありません。常に意識する必要があり、慣れるまでは疲労感を感じるでしょう。
②立ち方
鏡の前で脚を肩幅程度に軽く開き、左右のつま先を真っすぐ前に向けましょう。次に、膝を軽く曲げてください。膝を真っすぐにしてしまうと、慣れない姿勢の負荷が腰や膝にかかってしまいます。
鏡に映った姿を、横から確認してみてください。耳、肩、骨盤、かかとが一直線に並んでいれば正しい立ち方です。この時、耳の位置が前方に、骨盤が後方に傾いている人は、骨盤前傾型の可能性があります。肩のみが後方に傾いている人は、骨盤後傾型です。骨盤前傾型、後傾型について詳しく知りたい人は、下記記事を参考にしてくださいね。
【骨盤前傾特集】日本人は骨盤前傾・後傾どちらが多い?簡単チェック法と骨盤前傾が身体に与える影響について詳しくはこちら
骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つについて詳しくはこちら
③座り方
骨盤を立てる座り方をご紹介します。座り方を変えるだけのため、事務職やオペレーター、長時間運転をする人におすすめの方法です。まずは、椅子に深く腰掛けることを意識します。脚の裏は、両足とも床に密着させましょう。この時、どちらか一方の脚を前に出したり、椅子のキャスター部分に乗せたりしないでください。左右均等にすることが望ましいです。
また、脚を組む癖がある人は、できるだけ癖が出ないように心がける必要があります。脚を組むと骨盤が傾きやすく、脚の長さまで左右非対称になってしまうため注意が必要です。腰痛や関節痛の要因にもなる癖ですから、骨盤を立たせると同時に直すようにしましょう。
④筋肉トレーニング
骨盤を立てるには、腸腰筋を鍛えるのがおすすめです。腸腰筋とは、大腰筋(だいようきん)、小腰筋(しょうようきん)、腸骨筋(ちょうこつきん)の3つからなる筋肉であり、上半身と下半身を結ぶ唯一の筋組織です。肋骨の下あたりから骨盤全域にまで繋がっています。インナーマッスルとも呼ばれ、ボディメイクにも深く関わっている部位ですね。
腸腰筋を鍛えるメニューは様々あります。
1.ニートゥタッチ
2.レッグレイズ
3.レッグレイズキープ
4.ニーレイズ
5.ランジ
6.バイシクルクランチ
7.レッグシザース
8.スクワット
9.Vシットキープ
10.サイドプランクニートゥエルボー
腸腰筋を鍛えると骨盤の歪みが解消されるだけではなく、ヒップアップ効果やウエストダウンも期待できます。いずれも特別な道具を必要としないため、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
⑤ストレッチ
骨盤を立てるストレッチをご紹介します。まずは、寝ながら行うストレッチ方法です。うつ伏せに寝転がり、両ひじをつきます。上半身が起き上がった状態です。この時、左右のかかとをぴったりとくっつけ、脚の裏が天井を向くように意識しましょう。この状態を30秒維持します。背中が突っ張るような痛みを感じた場合は、肘の位置を調整してください。
次は、立ちながら行うストレッチ方法です。脚を肩幅程度に開きます。左右どちらからでもかまいませんので、右脚なら右手、左脚なら左手で、臀部にくっつけるように持ち上げます。片足立ちで行うストレッチのため、転ばないように注意してくださいね。脚を手で持ち上げた状態から、膝を後方に押し込むよう意識しましょう。太ももの前面が伸びていると感じられれば、正しいストレッチ姿勢になっています。この状態を15秒~30秒維持しましょう。呼吸は止めずに、痛みを感じない程度に計10回行います。
他にも、専門的なストレッチとして、ヒップジョイントストレッチやスプリットランジストレッチなどがありますので、骨盤を立てるストレッチに慣れてきた人はチャレンジしてみてくださいね。
⑥クッション・タオル
クッションやタオルを利用した骨盤の立て方をご紹介します。椅子に座る際、臀部と背もたれの間に、クッションまたは厚みを出したタオルを入れましょう。クッションまたはタオルに坐骨が軽く乗る程度に腰掛けます。よ。
⑦骨盤を立てるグッズ
自分では骨盤をどのように立てたらいいのかわからないといった人には、骨盤矯正グッズをおすすめします。骨盤矯正グッズとは、使用するだけで骨盤を適切な位置に戻してくれるアイテムです。
具体的には、座る際に使用するクッションタイプ、身体に使用するコルセットタイプ、肌着として着用する着圧タイプなどがあります。座っている時間が多い人にはクッションタイプ、立っている時間が長い人にはコルセットタイプがおすすめです。忙しく動き回る人には、着圧タイプが無理なく続けられます。
骨盤矯正グッズのクッションタイプについて、巷では「使わない方が良い」といった噂も散見されるのですが、本当なのでしょうか。実は、中期的な使用は推奨できますが、長期的な使用は推奨できない場合があります。骨盤矯正クッションを使用すると、意識しなくても正しい座り方が可能です。
中期的に使用することで骨盤の位置が正されるため、デメリットはありません。しかしながら、骨盤矯正クッションに長期的に頼りきった生活を送ると、自分の筋肉を使わなくなり筋力低下の恐れがあります。寄りかかるように座ったり、正しい使い方をしなかった場合も同様です。骨盤矯正グッズは優れたものが多いのですが、使い方を間違えると状況を悪化させる恐れがあります。骨盤矯正グッズを使用する際は、正しい使い方で使用するようにしましょう。
骨盤を立てる方法を実践し生活を改善しよう
これまで感じていた痛みなどの不調は、骨盤が原因かもしれません。骨盤の歪みは、様々な不調を引き寄せるからです。そのためまずは、自分の骨盤が立っているのか確認してみましょう。そして、骨盤が立っていないと判明した人は、ぜひ骨盤を立てる方法を実践してくださいね。