骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

自分の骨盤をよく観察して!

最近、骨盤の右側が痛いと悩んでいませんか?骨盤の痛み、特に右側だけに偏っている場合は、注意が必要です。様々な原因が考えられるため、早期に原因を追求し改善策を講じなければなりません。そこで本記事では、骨盤の右側だけが痛い場合に考えられる原因8つをご紹介します。骨盤の痛みは、年齢や性別、痛む状況によっても異なるため、本記事では性別、年齢、状況別に詳しく解説していきましょう。

目次

【右側】骨盤の痛み別原因8選

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤右側の痛みには、様々な要因が考えられます。骨盤そのものの異常はもちろんですが、内臓や循環器系の不調など、状況によって大きく異なってくるのです。そこで本項では、骨盤の右側のみに痛みが生じる場合の原因を、性別、痛みの種類、年齢にわけてそれぞれご紹介します。自分の症状に当てはまる項目がないか、確認しながら読み進めてみてくださいね。

骨盤の右側がチクチク痛い

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側がチクチクと痛む場合の要因は、排卵痛、機能性月経困難症(きのうせいげっけいこんなんしょう)、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)、骨盤内うっ血症候群(PCS)などが考えられます。排卵痛や機能性月経困難症は、女性にのみ生じる痛みです。月経痛と排卵痛は、発生時期も状況も異なります。排卵痛とは、卵子が卵巣から排出される際、骨盤に痛みが生じるものです。左右どちらか一方の骨盤や、腹部がチクチクと痛みます。

機能性月経困難症は、子宮や卵巣に明らかな異常が見られないにも関わらず、月経周期に腰痛や腹痛など強い痛みを感じる状態です。坐骨神経痛とは、腰から太ももにかけて伸びている坐骨神経が圧迫され、些細な刺激で痛みを感じます。電気が走るような痛みや突っ張るような不快感が特徴です。

骨盤内うっ血症候群もまた、女性にのみ生じます。ホルモンバランスの乱れやストレス、その他の要因により、卵巣内やその付近の静脈に異常が発生し、血液が溜まってしまう状態です。立ち姿勢や性行為時に悪化することもあり、慢性的な骨盤痛になることもあります。

骨盤の右側から腰にかけて痛い

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側から腰にかけて痛みを感じる場合の原因として、腸腰筋(ちょうようきん)や大腰筋(だいようきん)などの筋肉の不調、肝臓や胆のう、大腸などの内臓疾患、骨盤の歪みが考えられます。骨盤から腰にかけて、腸腰筋や大腰筋などのインナーマッスルと呼ばれる大きな縦型の筋肉があるのですが、外的刺激を受けて痛みを発生させている可能性があるのです。

また、右側の骨盤付近には、肝臓、胆のう、大腸など重要な内臓が集結しています。特に胆のうに異常が生じると、胃の近くや右肋骨が痛むことがあり、胆石症になると、背中から右肩付近にまで痛みが広がっていくため注意が必要です。右側のどこが痛むのか、痛みは広がっていないか確認してみましょう。

骨盤の右下が痛い

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右下が痛い場合は、虫垂炎(ちゅうすいえん)や大腸憩室炎症(だいちょうけいしつえん)などの消化器系疾患や、股関節や恥骨の不調、回旋筋群(かいせんきんぐん)の異常が考えられます。

また、加齢や出産によって発生率が高まる骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)の可能性もあるため注意が必要です。骨盤の右下の内側が痛いのか、皮膚に近い場所が痛いのか、痛みの状況を整理してみましょう。

骨盤の右後ろが痛い

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右後ろが痛い場合に考えられる要因は、腰椎の不調、筋肉炎症または損傷、関節の炎症または損傷、内臓疾患等です。筋肉の疲労が要因で痛みが生じる場合もあるのですが、下記特徴に当てはまれば筋肉の疲労または炎症である可能性が高いでしょう。

〇夜に近づくにつれ痛みが増す
〇動き始めにズキッとした鋭い痛みを感じる
〇太ももの裏側もしくはふくらはぎに張りを感じる
〇左側と比較し極端に冷たいまたは熱を持っている
〇運動する頻度が低下している

内臓疾患が要因で痛みが生じている場合は、痛み以外の症状も同時に発生するケースが多いです。発熱や嘔吐、悪寒やめまいなど、通常時とは異なる症状が出ていれば、内臓疾患を疑ってみましょう。ただし、内臓疾患は、個人での判断がほとんどできない事柄です。そのため、個人でのみ判断しようとせず適切なタイミングで専門機関に頼るようにしましょう。

骨盤の右側が痛い(妊娠初期~中期)

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

妊娠初期から中期にかけて、特に骨盤右側の痛みや腰痛が頻発します。妊娠時期に分泌されるリラキシンと呼ばれる卵巣ホルモンが要因です。リラキシンは出産をスムーズにするため、骨盤のスペースを広くしたり関節・靭帯を緩めたりする作用があります。

また、大きくなる子宮の影響で円靭帯が引っ張られ、痛みが生じている可能性もあるでしょう。子宮は、左右均等に大きくなっていくわけではありません。左側に比べて右側の変動が大きい場合、右側に強い痛みを感じるようになります。

妊娠中期から後期にかけて発生しやすいのが、アンバランスによる痛みです。徐々に大きくなるお腹と身体全体のバランスを保つため、骨盤が前傾気味になることがあります。骨盤が前方向に突き出し背中は反り腰気味になり、歩行時のアンバランスが生じ、痛みとなって表れるのです。

骨盤の右側が痛い(中学生)

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

中学生に生じる骨盤の痛みは、成長痛、骨盤裂離骨折(こつばんれつりこっせつ)、腸骨稜骨端炎(ちょうこつりょうこつたんえん)などが考えられます。

成長痛は、身体の成長時期に発生する一般的な痛みです。主に3歳~14歳の間に発生し、自然に減少していきます。骨盤裂離骨折や腸骨稜骨端炎は、スポーツ障害とも呼ばれ、日々の部活動や激しいトレーニングで発生するものです。

特に、ランニングやサッカー、野球や柔道など、捻りやジャンプ等筋肉の極端で反復的な収縮を必要とする激しいスポーツを行っている学生に発生します。激しい痛みを感じた場合は骨盤裂離骨折、上半身をねじったり前屈する際に骨盤の痛みを感じる人は腸骨稜骨端炎の可能性があるでしょう。

骨盤の右側が痛い(女性)

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

女性特有の骨盤の痛みとして考えられるのは、月経周期による不調、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣がん(初期)などです。月経周期による不調では、骨盤の一部に鋭い痛みを感じたり、締め付けられるような重だるい不快感、ズキンと下半身にひびくような痛みなど個人差があります。そのため痛みの種類だけでは判断できず、月経周期を記録しておくのがおすすめです。

婦人科疾患は、個人での判断は難しいのですが、骨盤の痛みの他におりものの変化や性器からの不正出血等で異変を察知できます。また女性特有ではありませんが、胃腸炎、便秘、筋肉硬化または不足も骨盤が痛くなる要因です。過度なストレスや不規則な日常生活、運動不足によって生じます。

骨盤の右側が痛い(男性)

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側が痛い男性は、慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)、急性陰嚢症(きゅうせいいんのうしょう)、胃腸炎などが考えられます。慢性前立腺炎は前立腺に炎症が発生し、骨盤から下半身の広範囲にかけて痛むのが特徴です。残尿感があるなどの排尿症状を感じたり、射精時の違和感も生じる場合があります。実は、慢性前立腺炎の原因は、現在もはっきりと解明されていません。前立腺周辺の血流の滞りや尿の逆流、骨盤底筋の低下やホルモン異常など、可能性として様々に懸念されていますが、明確にはされていないのです。そのため、診断も難しく、困難な症状だと言えます。

急性陰嚢症とは、睾丸が突然痛み出し、骨盤や臀部にまで影響する状態です。精巣捻転症(せいそうねんてんしょう)や精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)が要因として考えられます。激しい痛みとともに、嘔吐などの症状も表れるため、早急な対処が必要です。

男性特有ではありませんが、ハムストリングの硬化による骨盤の歪みも、痛みの原因として考えられます。大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)が、ハムストリングと呼ばれる太ももの裏側の筋肉です。ハムストリングの柔軟性がなくなると、骨盤が後方に偏りやすく、姿勢の崩れが生じます。不必要な箇所に負担がかかり、骨盤の痛みや腰痛の原因になってしまうのです。

骨盤の右側が痛い時の対処法

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

本項では、骨盤の右側が痛い時の正しい対処法をご紹介します。骨盤全体が痛いなど、左右均等であれば改善は容易です。しかしながら、右側だけが痛い場合などは、慎重に状況を見極め、適切な対処法を実践しなければなりません。

観察

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側だけが痛いと感じる時は、下記項目をチェックし記録しておきましょう。

〇いつ頃から痛みを感じているか
〇痛みの頻度はどの程度か(例:毎日30分ほど痛い、1週間に1度痛くなる瞬間がある)
〇痛む場所の範囲はどの程度か(例:右の臀部から背中の下あたりまで痛い)
〇痛みの種類(例:チクチクと痛む、ズキンと大きくひびくような痛み)
〇前後の様子(例:痛みが発生する前日にサッカーをした、登山に行った、何もしていない)


痛みの状況を観察し記録しておくと、本当の原因を見つけやすくなります。また、整体や病院など専門機関を利用した際も、自分の状況を正しく説明できるためおすすめです。

ストレッチ

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側のみが痛い場合は、骨盤の偏りや歪みにより、身体全体のバランスが崩れている可能性があります。バランスが崩れると不必要な箇所に過度な負担がかかり、筋肉の硬化が発生するため注意が必要です。

そのため、ストレッチで筋肉や靭帯をほぐす方法が有効だと言えます。ただし、骨盤に激しい痛みを感じている時は、無理に伸ばしたりほぐしたりせず安静にしましょう。無理にストレッチを行うと、痛みを悪化させたり、他の部位まで痛む恐れがあります。また、ストレッチは正しい方法で行わなければ逆効果です。正しいストレッチ方法について詳しく知りたい人は、下記記事を参考にしてくださいね。

筋トレ

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の右側のみが痛く、運動不足を感じている人や座っている時間が長い人には、筋トレがおすすめです。筋トレでは、下記筋肉を中心にトレーニングしてみましょう。

〇腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)
〇梨状筋
〇大腿筋膜張筋
〇縫工筋
〇内転筋群(恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋、薄筋)
〇大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)

肋骨下から太ももにかけて存在する筋肉を中心にトレーニングを行うと、骨盤の歪みを解消し痛みを改善できます。ただし、左右均等に鍛える必要があります。筋力が不足している側のみを鍛えると、再びバランスを崩し、異なる部位に不調が発生するためです。また、上半身のみであったり、下半身のみのトレーニングもおすすめできません。骨盤の歪みを改善するには、左右上下と全身のバランスが重要です。

整体・病院

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤の痛みを感じた際、整体や病院を利用するタイミングがわからないと悩む人は少なくありません。そのため、我慢のし過ぎにより骨盤の痛みが悪化している人も非常に多いです。そこで、整体や病院など、専門家の助けを求める目安をいくつかご紹介します。 1つ目は、日常生活への影響です。歩行や荷物を持ち上げるなど、日常生活に骨盤の痛みは影響していませんか?もしも、骨盤の痛みが原因で歩く頻度が減ったもしくは、階段を避けるようになった人は、整体・病院の利用を検討しましょう。

2つ目は、痛みの期間です。骨盤の痛みが半年から1年ほど続いている場合、慢性骨盤痛と判断できます。骨盤の痛みが常習化しているのです。自分1人では根本原因を解決できない状態ですので、ぜひ整体や病院など専門家の力を借りましょう。

3つ目は、発熱や嘔吐、特定の部位からの出血など、骨盤の痛み以外の症状が発生している場合です。骨盤そのものの不調だけではなく、内部疾患が疑われます。整体ではなく、病院を利用するべき状態です。ちなみに女性の場合は、婦人科系疾患が懸念されるため、婦人科や産婦人科に来院するようにしましょう。

自分の骨盤をよく観察して!

骨盤の右側が痛い原因8選!性別・年齢・状況別に徹底解説

骨盤右側の痛みは、年齢や性別、日常生活の送り方によって様々な要因が考えられます。そして、痛みの種類や範囲によって、想定される事柄も大きく異なってくるのです。そのため、まずは自分自身の骨盤の状況を正しく理解しなければなりません。正しく理解しておけば、整体や病院などの専門機関を利用する際も正しく状況を説明でき、適切な処置を受けることができます。自分の身体を守るためにも、ぜひ自分の骨盤をじっくりと観察してみてくださいね。