骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

骨盤後傾の改善を目指すにはトレーニングの継続が必要

欧米人に比べ、日本人には骨盤後傾が多いと言われています。骨盤後傾には多くのデメリットがあり、骨盤痛や腰痛、歩行障害の要因にもなっているのです。また、体重の増加やむくみなども生じさせるため、早々に解消しなければなりません。そこで本記事では、骨盤後傾を改善するトレーニング7選をご紹介します。自分の骨盤が後傾型なのか、日本人には少ない前傾型なのか、チェックする方法もご紹介しますので、ぜひ確認してみてくださいね。

目次

骨盤後傾は改善できるのか

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

近年、骨盤や前傾・後傾に関する情報は、あらゆるメディアで取り上げられるようになりました。健康や美容に深く関わっていることが判明したためです。しかしながら、難しい用語も多く使用されているため、意味が理解できない人も少なくありません。そこで本項では、骨盤後傾とはどういった状態なのか、また健康や美容にどのように関わっているのか詳しくご紹介します。骨盤前傾・後傾チェック方法もご紹介しますので、自分の骨盤の状態チェックにご活用くださいね。

骨盤後傾とは

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骨盤後傾とは、骨盤が後方に引っ込んだ状態のことです。人体を横から眺め、耳、肩、骨盤、膝、かかとを直線で結んだ際、地面から垂直な線になります。脊柱は正常なS字カーブを描き、負担も最小限になるのが正常型です。

ところが骨盤後傾は、骨盤が後方に傾き胸部付近の脊柱が不自然に湾曲しています。肩が前方に巻き込まれるため、猫背になるのも特徴です。さらに、腹部がぽっこりと前にせり出し、膝も抜けているかのように曲がってしまいます。重心は後方に偏るため、かかとや関節の痛みが出やすい状態です。

骨盤後傾チェック

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

骨盤後傾をチェックする簡単な方法2つをご紹介します。1つ目は、靴底チェック法です。最も頻繁に使用している靴の底を見てみましょう。ハイヒールなど特殊な靴底の靴ではなく、できるだけ前面が地面に触れるスニーカー等が理想です。靴底のかかとぶぶんが大きくすり減っていれば、骨盤後傾と考えられます。つま先部分が削り取られている場合は、前方に重心が傾く骨盤前傾です。左右非対称に靴底がすり減っている場合は、骨盤に左右のずれが生じている可能性があります。

2つ目の方法は、壁を使ったチェック法です。壁に、後頭部、臀部、かかとの3点をつけ寄りかかります。腰と壁との間にできた隙間に、手を入れてみましょう。手のひらが差し込める隙間もない人は、骨盤後傾の可能性が高いです。握りこぶし一つ分ほどの隙間がある場合は、骨盤前傾の可能性があります。正常な場合は、軽く丸めた猫の手一つ分が入る程度の隙間です。

後傾なのに反り腰になるのか

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

骨盤後傾は、骨盤が後方に傾き猫背な場合が多いです。一方、骨盤前傾は、骨盤が前方に傾き反り腰になります。しかしながら、反り腰の人が必ずしも骨盤前傾とは限りません。骨盤後傾なのに、反り腰になる人も一定数存在します。

その理由は、正しい姿勢の間違った認識です。正しい姿勢を作ろうとしたとき、多くの人は背中を伸ばそうとするでしょう。ところが、骨盤後傾型が背中のみを意識して伸ばすと、骨盤は後方に置き去りのまま反り返るような姿勢になってしまうのです。そのため、骨盤後傾なのに、骨盤前傾の特徴である反り腰も持った人になってしまいます。

本当の正しい姿勢とは、骨盤を立て、骨盤と肩を直線で結ぶイメージです。臀部と太ももの筋肉に力を入れ骨盤を固定してから、腹部のインナーマッスルで上半身のバランスを保つのが正しい姿勢となります。骨盤を立てるとはどういうことなのか気になった人は、下記記事を参考にしてくださいね。

骨盤後傾の原因

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

日本人には、特に骨盤後傾型が多いと言われています。なぜ、日本人に骨盤後傾型が多いのでしょうか。ここでは、骨盤後傾になる原因を詳しくご紹介します。

農耕民族としての生活習慣

日本人は長らく、農耕民族としての生活を続けてきました。長時間前傾姿勢で作業を続けなければならなかったため、骨盤は後方に傾きやすかったのです。

農作業により前側の筋肉のみが発達し、後ろ側の筋肉が弱くて脆いことも要因だと言えます。また、日本人が猫背になりやすいのは、骨盤後傾の影響です。骨盤が後方に傾くことで、上半身が前方に傾きやすく、肩が巻き込まれ猫背になります。

筋肉不足

骨盤後傾になる原因として、筋肉不足が考えられます。骨盤は、非常に大きな骨です。そのため、正しい位置に固定し続けるには、様々な種類の筋肉と十分な量が必要になります。つまり、筋肉が不足すると骨盤を正常な位置で保つのが難しくなるということです。

筋肉が不足すると、骨盤は前後左右に傾きやすくなります。骨盤後傾・前傾だけではなく、左右への歪みも生じやすくなるのです。

筋肉不均衡

筋肉不均衡も、骨盤が後傾する要因です。骨盤は、様々な筋肉による絶妙なバランスによって、位置が保たれています。特定の筋肉に依存しているわけではなく、太ももの前面にある大腿四頭筋と、太もも後方のハムストリングなどが互いに引っ張り合い、正常な位置に保たれているのです。

特定の筋肉が発達または硬化しすぎた場合、骨盤を引く力が偏ってしまいます。骨盤後傾は、ハムストリングが硬化し後方に引っ張られ過ぎている状態です。大腿四頭筋とハムストリング以外の不均衡でも生じるため、骨盤を正しい位置で保つためには、全身の筋肉のバランスが重要になります。

悪い姿勢

悪い姿勢で過ごす行為も、骨盤後傾の要因です。立ち姿や座り姿、歩き方など、日常生活における様々な姿勢が、骨盤に悪影響をもたらす可能性があります。下記項目に一つでも当てはまる人は、姿勢が正しくない可能性が高いため注意が必要です。

1.第三者から猫背と指摘されたことがある
2.脚を組む癖がある
3.頬杖をつく癖がある
4.座っているとき両脚の裏を床に着け続けられない
5.座っているとき膝が開いている
6.座っているとき口が開きがち
7.歩行時に最初に地面につくのはつまさきである
8.柔らかいソファーに長時間座っている
9.インテリアの高さが合わないと感じることがある
10.長時間同じ姿勢で過ごすことが多い

悪い姿勢は、骨盤後傾または前傾の要因になります。身体への過度な負担による痛みが生じる可能性もあるため、早々に見直しをしてみましょう。

妊娠・出産

骨盤後傾には、妊娠や出産の影響も考えられます。妊娠すると腹部が重くなり、バランスを保つため骨盤が後方に偏りやすいのです。また妊娠時に分泌されるホルモンの影響により、骨盤や靭帯が緩みやすくなります。そのため、骨盤後傾も進行しやすくなるのです。

さらに出産後は、子どもを抱きかかえることが増え、巻き肩になります。肩が前方に引っ張られることで骨盤が後方に傾き、骨盤後傾を改善できないまま日常生活を送ることになってしまうのです。

骨盤後傾はどこを鍛える?

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骨盤後傾の対処法として、筋トレなどのトレーニングが有効です。しかしながら、腰回りのみを鍛えるなど、特定の部位のみの筋トレは最適ではありません。骨盤後傾を改善するためには、下記筋肉を均等に鍛えていく必要があります。

〇多裂筋(たれつきん)
〇腹横筋(ふくおうきん)
〇腸腰筋(ちょうようきん)
〇骨盤底筋(こつばんていきん)
〇内転筋(ないてんきん)
〇大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
〇恥骨筋(ちこつきん)
〇中殿筋(ちゅうでんきん)
〇大殿筋(だいでんきん)
〇小殿筋(しょうでんきん)
〇回旋筋群(かいせんきんぐん)

非常に多くの筋肉を理解する必要があります。

骨盤後傾を改善するトレーニング7選

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

前項でご紹介したとおり、骨盤後傾を改善するためには、多くの筋肉を理解し適切なトレーニングを実施しなければなりません。しかしながら、忙しい人々にとって、筋肉への理解は容易ではないでしょう。そこで本項では、骨盤後傾を改善する簡単なトレーニング7選をご紹介します。ぜひ、日常生活に取り入れてみてくださいね。

①高齢者でもできる骨盤後傾改善トレーニング

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

仰向けに寝転がり、膝を90度に曲げましょう。背中と床の隙間に、両手を差し込みます。手のひらを床に、手の甲は背中に密着している状態です。背中を使って、手を思いっきり床に押し込んでみましょう。この状態を、10秒間維持します。息を吐きを吐き続けながら押し込むと、さらに効果的です。

②寝ながらできる骨盤後傾改善トレーニング

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仰向けに寝転がり、両膝を90度に曲げましょう。腰が反り返らないように意識し、臀部を天井側に持ち上げます。腹部と臀部の筋肉に力を入れるのがポイントです。臀部を上げ切った状態で、10秒間維持しましょう。呼吸を止めずに、3回繰り返します。

③立ちながらできる骨盤後傾改善トレーニング

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

腸腰筋やインナーマッスルを鍛え、骨盤後傾の改善が目指せるトレーニングです。脚を腰の幅程度に開き、真っすぐに立ちます。反り腰にならないよう、骨盤を立てるイメージも持ちましょう。右脚を90度に持ち上げます。膝で持ち上げるのではなく、股関節(足の付け根)から持ち上げましょう。持ち上げた右脚を、ゆっくりと下ろします。ただし、地面に完全に脚底を着けないでください。この動作を、30回~50回繰り返し、左脚も同様に行います。1日30回~50回を3セット行うのが理想ですが、徐々に増やしていくのがおすすめです。

④女性におすすめする”ながら”骨盤後傾改善トレーニング

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

家事や育児に忙しい女性におすすめする、骨盤後傾改善トレーニングです。何かを”しながら”トレーニングできます。 1つ目は、歯磨きをしながらのトレーニングです。利き手で歯ブラシを持ち、もう一方の手を腰に当てます。両脚のかかとを限界と感じるまで上げ、5秒維持したのち、ゆっくりと床に戻してください。

2つ目は、料理をしながらのトレーニングです。歯磨きトレーニングと同じように、利き手でフライパン(調理器具)を持ち、もう一方の手を腰に置きます。右脚に体重を乗せ、左脚を時計の針のように真っすぐに横に動かしましょう。体重を乗せた右脚と骨盤が、一直線上になることが理想です。左脚を限界と感じる高さまで持ち上げ、ゆっくりと床に戻します。維持する必要はありません。

3つ目は、掃除機をかけながらのトレーニングです。利き手で掃除機を持ち、もう一方の手を腰に置きます。右脚に体重を乗せ、左脚を後方に持ち上げましょう。上半身が前傾に倒れてしまわないように注意してください。今回ご紹介した3つのトレーニングは、それぞれ異なる筋肉を刺激する運動です。そのため、3種類全てを行うことが理想ですから、ぜひ家事の合間に実践してみてくださいね。

⑤男性におすすめする骨盤後傾改善トレーニング

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

女性と比べ、男性は筋力が多くまた増やしやすいため、少々ハードな骨盤後傾改善トレーニングがおすすめです。椅子を用意しましょう。椅子に浅めに腰掛け、両手は椅子の座面を掴み身体を支えます。まずは両膝を持ち上げ、床から脚の裏を完全に離すようにしましょう。

次に、前方に両脚を真っすぐ伸ばします。伸ばした脚を、ゆっくりと元の状態に戻しましょう。ただし、床に脚の裏を着けないでくださいね。この動作を、10回連続で行います。慣れてきたら、回数を増やしていきましょう。大腿四頭筋や腹直筋など、複数の筋肉を同時に鍛えられる改善トレーニングです。

⑥ストレッチポールを使った骨盤後傾トレーニング

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

ストレッチポールは、骨盤後傾・前傾や歪み改善にも効果を発揮するトレーニンググッズです。ここでは、最も簡単に行えるストレッチポールトレーニングをご紹介しましょう。

まず、ストレッチポールの上に、仰向けに寝転がります。頭部と臀部がストレッチポールに乗るよう、ストレッチポールは縦に置いてくださいね。次に、膝を立て床に両脚の底を着けます。身体を両脚で支えながら、左右に骨盤を揺らしてみましょう。たったこれだけで、骨盤の歪み解消とストレッチ効果も期待できます。

⑦ダンベルを使った骨盤後傾改善トレーニング

ダンベルを使った骨盤後傾改善トレーニングは、以下の2種類です。

〇ステーショナリー・ランジ
〇ダンベルサイドベント

ステーショナリー・ランジは太ももの裏側から大殿筋、大腿四頭筋を効率的に鍛えられます。ダンベルサイドベントは、腹横筋や腹斜筋など、腹部から骨盤周辺の筋肉を同時に鍛えられるため非常におすすめです。ダンベルがない人は、2リットルのペットボトルで代用してみてくださいね。

骨盤後傾の改善を目指すにはトレーニングの継続が必要

骨盤後傾改善トレーニング7選!骨盤後傾の原因も徹底解説

骨盤後傾の改善には、様々なトレーニング方法があります。ぜひ自分に最適な方法を試してみましょう。ただし、トレーニングは継続してはじめて変化が見られます。数回続けた程度では、骨盤後傾の改善は期待できないのです。そのため、日常生活に上手く取り入れられるトレーニングを選ぶ必要があります。