骨盤の歪みを解消し腰痛を改善させよう
身体を動かすだけで腰痛を感じたり、時にはズキンと全身に響くような腰痛に悩んでいませんか?何をやっても解決せず、腰痛を我慢しながら過ごしている人も少なくありません。その腰痛は、骨盤の不調が関係している可能性があります。本記事では、骨盤の不調と腰痛の関係を詳しく解説していきましょう。また後項では、話題のベルトやサポーターなど、腰痛解消グッズの効果もご紹介します。メディアで話題の腰痛体操の詳細も解説しますので、腰痛に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
骨盤が腰痛の原因になる?
骨盤と腰は、ただ近くに存在する部位というわけではありません。骨盤の不調により、腰痛が生じたり、腰痛が悪化することも十分にありえるのです。そこで本項では、骨盤と腰、骨盤と腰痛の関係を詳しく解説します。骨盤の不調によって生じる腰痛を感じた際に、やってはいけない行為についてもご紹介しますので、腰痛を感じている人は参考にしてください。
骨盤と腰の違い
骨盤は臀部に位置する骨の集合体です。仙骨(せんこつ)、寛骨(かんこつ)、尾骨(びこつ)などによって形成されています。腰の近くに位置するため、腰と骨盤を同様に捉える人もいますが、腰と骨盤は違うものです。
腰は、背骨である脊柱と、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)などの筋肉を示します。広義では、肋骨の下部から骨盤の最下部にある尾骨を含む場合もあるため、腰と表現されるものの中に骨盤が含まれていると考えても差し支えないでしょう。
骨盤と腰は、担っている役割が類似するものから異なるものまであるためご紹介します。骨盤の役割は、以下のとおりです。
〇内臓や生殖器を守る
〇内臓や生殖器の機能をサポートする
〇歩行・走行等の衝撃を吸収する
〇妊娠継続のサポートをする
〇上半身と下半身のバランスを保つ
腰の役割は、以下の通りです。
〇上半身の重さを支える
〇姿勢を保つ
〇捻る、反る、曲げる等の動作を行う
〇椎体間(ついたいかん)の衝撃を吸収する
骨盤と腰には、それぞれ重要な役割が存在します。これらの役割を理解すると、骨盤の不調や腰痛との関係性が理解しやすくなるでしょう。
骨盤が腰痛の原因になる理由
骨盤は、上半身と下半身のバランスを保つ役割を持っています。そのため、骨盤の歪みや偏りが生じると、上半身と下半身のバランスが崩れ、腰痛が生じる場合があるのです。もちろん、下半身にも不調が表れる場合があり、太ももの張りや膝などの関節痛が生じます。
また、負担の肩代わりも腰痛の原因です。骨盤は、歩行や走行時の衝撃を吸収する役割を持っています。骨盤が正常な位置にあれば、骨盤のみで十分に吸収・処理が可能です。ところが、骨盤に不調が生じると、本来は処理できるはずの衝撃が吸収できなくなります。その結果、腰に衝撃が加わるようになり、腰痛が生じてしまうのです。
骨盤と腰の、痛みの混同も理由として考えられます。あなたが感じている痛みは、本当に腰痛でしょうか?骨盤と腰は近い場所にあるため、明確にどちらが痛いのか判断できない場合があります。専門機関を利用し精密検査を受けた結果、痛む場所は腰だったと判断できるほど、部位の特定は難しいものなのです。痛みが広範囲に広がっている場合は、さらに判断が難しくなります。骨盤の不調により生じた痛みが腰だけではなく、背中全体や肩、関節まで広がっていれば、根本原因の追求は非常に難しくなると言えるでしょう。
骨盤が腰痛の原因なのかチェックする方法
腰痛の原因が骨盤によるものなのか、それとも別の原因が考えられるのかチェックしてみましょう。下記項目に多く当てはまるほど、骨盤の不調が関係しています。
〇猫背または反り腰である
〇長時間同じ姿勢で過ごすことが多い
〇歩行時にかかとからではなくつま先から着地している
〇脚を組んだり片足に体重を乗せる癖がある
〇運動不足である
〇仰向け・うつ伏せなど特定の寝姿勢が辛いと感じる
〇急激に体重が増加した
〇荷物はいつも決まった肩にかけている
〇手足が冷えやすいまたはむくみやすい
〇便秘・頻尿など排泄に問題を感じている
〇前傾・後傾チェックに該当している
上記項目に当てはまっている人は、骨盤の不調による腰痛の可能性があります。前傾・後傾チェックについては、下記記事を参考にチェックしてみてくださいね。
やってはいけないこと
骨盤の歪みが原因で腰痛が生じている場合、いくつか避けなければならないことがあります。1つ目は、過度な運動です。骨盤の歪みや偏りは、筋肉不足によって生じることがあります。腸腰筋(ちょうようきん)や大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)、内転筋など骨盤を維持する筋肉が不足している状態です。そのため、改善策として筋トレが有効なのですが、腰痛が生じている場合は違います。腰痛が発生している状態で過度な筋トレを始めると、不調が生じている箇所に大きな負荷が集中してしまうのです。腰痛の悪化が懸念されるため、過度な筋トレは避けましょう。
2つ目は、過度な減量です。体重は骨盤の歪み偏りに影響を与え、腰痛の原因にもなりえます。そのため、減量を試みることは決して間違いではありません。しかしながら、過度な減量は上半身・下半身のバランスを乱し、筋肉量の低下にも繋がります。筋肉量が低下すると姿勢を維持することが難しくなり、様々な部位に悪影響を与えるため避けましょう。
3つ目は、個人の判断による冷温療法です。身体に痛みが生じた際、「冷やすべき」「温めるべき」といった相反する意見を見聞きしたことはありませんか?確かに、筋肉を温めたり冷やしたりする行為は、痛みの改善に有効な場合があります。ただし、炎症が生じている場合は冷やし、硬化している場合は温めるなど、原因によって全く異なる方法を実施しなければなりません。つまり、痛みの原因が炎症によるものなのか、筋肉の硬化によるものなのか、正確に見極める必要があるのです。残念ながら、一般人では痛みの原因を、正確に判断できません。炎症または硬化どちらか一方の場合もあれば、双方が複合的に生じている可能性もあるなど、人体は非常に複雑なためです。独自の治療法を実施するのであれば、まずは正しい原因を専門家の助言を受けながら判断するようにしましょう。
骨盤を歪みを改善し腰痛を解消する方法7選
本項では、骨盤の歪みや偏りによって生じた腰痛を改善する方法7選をご紹介します。姿勢の改善や日常生活そのものの快適性の向上にも繋がりますので、ぜひ参考に実践してみてくださいね。
①骨盤歪み改善ストレッチ
骨盤の歪みを改善し、腰痛を解消するストレッチ3つをご紹介します。うつ伏せに寝転がり、両手は肘を曲げ頭を乗せましょう。膝を両脚ともに90度に曲げ、脚の裏が天井を向くようにします。肩幅程度に膝を開き、左脚のみ内側に倒してみましょう。倒す動きを1回と数え、両脚それぞれ10回行います。脚を内側に倒す際、骨盤が床から離れてしまわないように注意してくださいね。
2つ目のストレッチも、うつ伏せの姿勢で行います。1つ目のストレッチとは違い、両手は身体を支えるように手のひらを床につけましょう。脚は、膝、かかとをぴったりとくっつけ、90度に曲げます。この状態から骨盤を捻るように、脚を左右にゆっくりと倒していきましょう。骨盤が床から離れても、問題ありません。ただし、両ひじが床から離れないように注意してください。下半身は、骨盤からかかとにかけて、一体で倒すように意識するのがポイントです。左右10回ずつ倒します。
3つ目のストレッチは、仰向けの姿勢で行います。仰向けで寝転がり、両手・両脚を真っすぐに伸ばしましょう。伸ばした状態の両手は、離れないように頭上で結びます。この状態から、両手・両脚を左に30秒間傾けましょう。骨盤や背中が床から離れない程度に、手と脚が近づくように意識します。反対側も同様です。ひじや膝を伸ばした状態で行うことが理想ですが、難しい場合は曲げても問題ありません。
②骨盤の片側が痛い人におすすめのストレッチ
骨盤の片側が痛い人におおすすめするストレッチです。骨盤の片側のみが痛い場合は、筋肉の偏りや硬化が考えられます。そのため、均等にほぐすストレッチが効果的です。椅子に座り、左足首を右ひざの上に乗せましょう。ぶつからないようにするため、ひじ置きのない椅子で行うのが理想です。
両手を骨盤に当て、上半身は天井に引っ張られるようにまっすぐ伸ばしましょう。伸ばした上半身を、前方に倒します。臀部の外側や、太ももの横の筋肉を伸ばしていきましょう。上半身を倒しながら、3回~5回ほど呼吸します。脚を乗せ換え、同様にストレッチしてみてください。上半身は、脚と密着させるほど倒す必要はありません。
③ためしてガッテンの腰痛体操
人気番組で紹介された、たった3秒で完了する腰痛体操をご紹介します。番組内でも解説されていましたが、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)の人は行わないでください。
脚を肩幅よりもやや広めに開き立ちましょう。指先が下を向くように、腰に手を当てます。背骨を小指で挟むようなイメージです。母指球(ぼしきゅう)と呼ばれる手のひらの膨らんだ場所で、骨盤を前方に押します。背中が反るような形になりますが、決して背中のみで反り返らないように注意しましょう。3秒間、骨盤を前に押し込み完了です。
骨盤を押し込む際、膝を曲げないように注意しましょう。また、反り返った背中が辛いと感じたり、首に負担がかかっていると感じた場合は、すぐに中断してください。
④腰痛ベルト・サポーター
腰痛ベルトや下着の上から着用するサポーターは、腰痛対策として有効です。腰の負担を軽減できるため、痛みの解消には適していると言えるでしょう。また、骨盤の位置を整えられるベルト・サポーターを使用すれば、上半身・下半身のバランスも整えられます。
ただし、圧迫には注意しましょう。身体を固定する製品のため、正しく使用しないと血流やリンパの流れを妨げる恐れがあります。自分の身体のサイズに合ったものを、適正な時間で使用するようにしてくださいね。
⑤骨盤ショーツ・ガードル
骨盤ショーツやガードルは薄手であり、着用しても見た目に影響を出さないのが特徴でありメリットです。また腰痛ベルト・サポーターよりも身体を圧迫しないため、血流やリンパの阻害が気になる人に適しています。さらに、ボディラインを補正する作用も期待できるため、見た目を気にする人には特におすすめできる製品です。
⑥腰痛クッション・座布団
腰痛クッションまたは腰痛座布団と呼ばれるアイテムも、腰痛解消に効果的です。椅子の座面のような形をしています。座り姿勢で生じる腰への負担を解消し、正しい座り姿勢のサポートも行ってくれるため、長時間座って作業をしている人におすすめです。また、長時間運転する人にも適しています。 腰痛クッション・座布団のメリットは、持ち運びできるところです。少々大きい物もありますが、手軽に持ち運べるサイズの製品も多いため、外出時にも使用できます。ただし、腰痛クッション・座布団は、定期的な買換えが必要です。使用し続けると特殊な形状が崩れ、座り姿勢の乱れに繋がる恐れがあります。
⑦整体
腰痛の解消には、整体など専門機関の利用も効果的です。専門的な知識と器具を使用し、早期の解決が期待できるでしょう。ただし、整体などの専門機関は定期的に通う必要があります。1回~2回程度では、施術直後は痛みが解消されるものの、すぐに施術前の状態に戻ってしまうためです。
そのため、定期的に通える距離感であったり、1回の料金を考えながら選ぶようにしましょう。一般的に、整体は2カ月~3カ月の継続で変化を感じられると言われています。中期的に通える場所を選び、腰痛の解消に努めてみてくださいね。
骨盤の歪みを解消し腰痛を改善させよう
腰痛は、骨盤の歪みや偏りが原因で生じることがあります。それほど骨盤は、身体に関係する重要な部位なのです。身体に関係するということは、一つ一つの日常生活が、骨盤に良くも悪くも影響するということ。たった一つの癖で、骨盤は歪んだり偏ったりしてしまうのです。日常的に腰痛を感じている人は、まずは骨盤の状態を深く探ってみましょう。骨盤の状況を理解できれば、適切な対策が実施でき、腰痛解消にも繋がります。