骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

筋トレを続け骨盤を正常化しよう

骨盤を整えるなら「骨盤底筋の筋トレが一番!」と聞いたことはありませんか?確かに、骨盤底筋の筋トレは有効ですが、骨盤底筋以外にも重要な筋肉があります。そこで本記事では、骨盤を整えるために鍛えるべき筋肉を徹底解説していきましょう。骨盤を整える効果的な筋トレを5つご紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね。

目次

骨盤を整えるには筋トレが1番?

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤を整える方法として、筋トレの他にもヨガやストレッチ、矯正アイテムの使用などがあげられます。しかしながら、なぜ筋トレが一番効果的と言われているのでしょうか。そこで本項では、骨盤の基本的な情報から筋トレとの関係性を解説します。

骨盤を整えるとは

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤を整えるとは、歪みや偏りを正し正常な状態に戻すことを意味しています。骨盤の機能だけではなく、周辺臓器、筋肉、靭帯等の働きを回復させ、身体に生じている様々な不調を改善させることが目的です。

骨盤には、上半身と下半身のバランスを保ち正しい姿勢を維持する役割があります。他にも、歩行や走行時の衝撃を吸収する、周辺の臓器を守る、機能を正常に保つなどの重要な役割があるのです。つまり骨盤は、日常生活に深く関わっているということ。その分、日常生活の影響も受けやすく、歪んだり偏ったりしやすいのが特徴です。

筋トレが効果的な理由

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤を整える際、筋トレが効果的と言われる理由は、骨盤が歪む要因が筋肉不足等に起因するからです。骨盤を正しい位置で保つには、様々な筋肉が必要になります。骨盤が位置する臀部や下腹部の筋肉だけではなく、肋骨より下に位置する腹横筋や多裂筋、太ももにある大腿四頭筋の役割も重要です。ところが、近年では歩行や走行の減少、運動不足により、骨盤の維持に必要な筋肉が不足しやすい状況となっています。

また、骨盤の維持には靭帯も必要です。腸腰靭帯や前仙腸靭帯、恥骨大腿靭帯などその他にも多くの靭帯が骨盤の維持に関わっています。靭帯は筋肉のように、筋トレによる強化はできません。しかしながら、筋肉強化によって靭帯への過度な負担を解消でき、本来の役割を安定的に行えるようにします。つまり筋トレは、筋肉と靭帯を正常化し、骨盤を安定的に保つために有効だと評価できるのです。

前傾・後傾・歪みに効くのか

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

筋トレは、骨盤前傾、骨盤後傾、左右の歪みなどの改善にも効果的です。骨盤は、前方に傾く前傾型と後方に傾く後傾型、左右に歪むなど様々な状態が存在します。前方に傾きつつ左右非対称に圧力がかかっているなど、個人差も非常に大きいです。筋トレは、こうした特徴的な状況にも効果を発揮します。

ただし、骨盤の不調が筋肉不足、筋肉の硬化・軟化に関わるもののみです。変形性疾患など、疾患に起因する歪みの場合は、個人の判断による筋トレを避けなければなりません。専門機関の指示に従い、正しい改善方法を実施するようにしましょう。

やりすぎるとどうなる

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

筋トレをやりすぎると「硬くなる」と聞いたことはありませんか?筋トレをすると筋肉が収縮し、乳酸の蓄積によって硬くなります。そのため筋トレをやりすぎると「硬く動けなくなる」と囁かれているのです。しかしながら、正しい認識ではありません。

筋トレによって筋肉は、硬くなるのではなく柔軟性が増すことがわかっています。研究結果として、論文も発表されているため事実です。(参考論文https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5609666/)疲労した状態でトレーニングを続けると、筋肉内に結合組織が増加し、硬く柔軟性のない筋肉になってしまいます。つまり、筋トレ後に正しい疲労回復期間を設けることにより、柔軟性の高い良質な筋肉を身につけられるのです。筋トレの頻度や負荷のかけすぎではなく、筋トレ後の休息期間に意識を向けるようにしましょう。ちなみに、一般的な回復期間は以下のとおりです。

〇胸筋・背筋:72時間
〇上腕二頭筋・上腕三頭筋等:48時間
〇腹筋・ふくらはぎ:24時間

筋肉痛が生じている場合は、筋肉の回復が終わっていない証拠ですので、休息時間を延長するようにしましょう。

骨盤を整えるために鍛えるべき筋肉

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤を整えるためには、複数の筋肉を均等に鍛える必要があります。そこで本項では、骨盤を整えるために鍛えるべき筋肉を詳しくご紹介していきましょう。

腸腰筋(ちょうようきん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

腸腰筋とは、上半身と下半身を繋いでいる唯一の筋肉です。肋骨の下から股関節の付け根あたりまで縦に伸びています。姿勢の維持や立つ動作、歩行など日常生活のあらゆる場面で使用される筋肉です。また、腰を正しい形であるS字に保つ、関節の動きをサポートするなどの役割もあります。

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

腰骨から脚の付け根外側に向かって伸びている筋肉です。お尻の中で最も大きい筋肉である大殿筋(だいでんきん)や、深い場所に位置する小殿筋(しょうでんきん)と連結し、股関節の動きに深く関わっています。大腿筋膜張筋が硬くなると、骨盤前傾や反り腰の要因となるため注意が必要です。O脚(内反膝)などの下肢形態的異常や太もも外側の痛みに繋がる恐れもあります。

恥骨筋(ちこつきん)

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恥骨筋は、骨盤と大腿骨を繋ぐように位置する筋肉です。内ももの上部に存在します。股関節の屈伸運動や、内転運動のサポートを行っている筋肉です。また、骨盤の安定的な維持にも関わっており、総称して骨盤底筋群と呼ばれることもあります。骨盤底筋群については公判で詳しくご紹介しますが、骨盤の維持や排泄、性生活など、性別を問わず重要な部位です。

内転筋(ないてんきん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

内転筋は、先ほどご紹介した恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋の4種類の筋肉から構成されています。股関節の付け根から、太ももの内側や膝の内側にかけて存在する筋肉群です。

下肢が外側に広がらないように抑えたり、前後に傾いた脚を正常に戻す役割を担っています。また骨盤の安定性にも関わっているため、硬化または不足すると、股関節が開いたり骨盤が歪んだりなどデメリットをもたらすため注意が必要です。さらに、歩行または走行時の衝撃が吸収できなくなり、腰痛や関節痛の要因にもなります。

多裂筋(たれつきん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

多裂筋は、背骨に沿うように縦に存在する筋肉です。首から腰にかけて縦長に位置し、脊柱(背骨)の保護・保持、姿勢維持に深く関わっています。そのため硬化または不足すると、背中が部分的に反り返ってしまったり、猫背に繋がるため注意しなければなりません。また、腹横筋と骨盤底筋と連動し背骨を安定させるため、骨盤の維持にも無関係ではないのです。

腹横筋(ふくおうきん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

腹横筋は、脇腹と呼ばれる腹部側面に位置する筋肉です。皮膚の直下にあるわけではなく、腹部の最も深い場所にあるため、インナーマッスルとも呼ばれています。コルセットのように腰から腹部を包み込むように位置し、呼吸や臓器の保護、姿勢の維持にも役立つ重要な筋肉です。

また、腰部や骨盤を支えるコアマッスルとしての役割もあります。硬化または不足すると体幹が不安定化し、骨盤や下肢の原因にもなるため注意しなければなりません。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤の下部に存在し、骨盤の安定に深く関わる筋肉群です。ただし、支えているのは骨盤だけではありません。骨盤底筋群は胴体そのものを底支えしているため、硬化または不足による影響は全身におよびます。

そのため、近年では骨盤底筋群に関するトレーニングが多数紹介されるようになりました。しかしながら、妊娠や出産、加齢、肥満など多くの要因によって衰えやすく、的確なトレーニングの継続が必要です。

おすすめの筋トレ5選

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

本項では、骨盤を整えるおすすめの筋トレ5選をご紹介します。前項でご紹介した各筋肉を意識しながら、トレーニングに励んでみましょう。ちなみに筋トレでは、どの筋肉を使っているのか意識することが非常に重要です。筋肉を意識するだけで刺激が増加し、効率が高まります。(参考論文:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26700744/)ぜひ、試してみてくださいね。

①骨盤を締める筋トレ

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

骨盤底筋を鍛え骨盤を締める筋トレをご紹介します。仰向けに寝転がり、膝を立てましょう。膝やくるぶしは、くっつけるようにしてくださいね。手のひらを床につけ、リラックスしましょう。また、腰と床に隙間ができないように下腹部に力を入れてくださいね。一般的なうつ伏せの状態は、腰と床に狭いながら隙間ができます。その隙間を作らないように、下腹部と骨盤に力を入れるのがポイントです。このまま、骨盤の深部に力を入れ、5秒間キープしましょう。排泄を我慢している時のようなイメージです。5回繰り返して完了です。

タオルやゴムボールを利用した筋トレも効果的なのでご紹介します。同様に、仰向けの姿勢で行うトレーニングです。膝の間に、タオルまたはゴムボールを挟んでください。タオルを使用する場合は、できるだけ小さく折りたたみ厚みが出るようにしましょう。タオルまたはボールを膝で強く挟みながら、同様に骨盤に力を入れます。5秒間キープを5回繰り返して終了です。

②骨盤を立てる筋トレ

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

まず、正座をしましょう。両膝を、握りこぶし3つ分ほど離してください。正座の姿勢から、脚を外側に開きます。かかとに乗せていた臀部を、床の上に移動させるイメージです。両腕を上げた状態から肘を曲げ、背中の後ろでクロスさせましょう。右手で左肩を触り、左手で右肩を触るようなイメージです。腕のクロスが難しい人は、肘を曲げずに頭上でクロスさせましょう。 この姿勢から、胸部を前方に押し出します。同時に、背中を倒していきましょう。この状態が、骨盤が立っている状態です。骨盤を立てた状態で、5回ほど深呼吸をしましょう。腹部が前方に突き出したり、肩が丸まらないように注意してくださいね。

③産後におすすめする筋トレ

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

まずは、胡坐(あぐら)の姿勢を作りましょう。次に、左脚を立て、右太ももをまたぐように腹部側にクロスさせます。左手は身体を支えるように床に置き、右手はクロスさせた左脚を支えてください。深呼吸しながら、5秒~10秒姿勢をキープします。反対側も同様です。

大腿筋膜張筋や腹横筋の筋肉をほぐしながら、骨盤の歪みも整えられます。小さなお子様がいる場合、左右のトレーニング時間が設けられないこともあるでしょう。その際は、左右どちらか一方ずつ行っても問題ありません。ただし、1日に行うトレーニングの回数を揃えるようにしてくださいね。どちらか一方が多いと、筋肉の不均衡が生じ、骨盤の不調に繋がる恐れがあります。

④姿勢維持におすすめの筋トレ

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

姿勢の維持や改善におすすめなのは、下記トレーニングです。
〇プランク
〇リバースプランク
〇ヒップリフト
〇プッシュアップ
〇スーパーマン

プランクは大腰筋を鍛え、腹部周辺をスッキリさせる効果があります。リバースプランクは体幹や背中の筋肉を鍛えられるトレーニングです。ヒップリフトは体幹を鍛えながら、腰回りの筋肉にアプローチします。腰痛改善にも繋がりますが、反り腰でトレーニングを行うと悪化の懸念があるため注意が必要です。プッシュアップは大胸筋にアプローチしながら、骨盤の位置を整えます。スーパーマンは、広背筋や脊柱起立筋など、背中の広範囲にアプローチするトレーニングです。姿勢改善の他、脂肪燃焼効果も期待できるためぜひ取り組んでみましょう。

⑤腰痛・便秘解消におすすめの筋トレ

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

腰痛解消にも繋がる筋トレをご紹介します。仰向けに寝転がり、膝を曲げましょう。脚は、膝とくるぶしをくっつけた状態です。両手を床と腰の隙間に差し込み、へそを覗き込むように頭をゆっくり上げます。上げきった状態で、2秒~5秒キープしましょう。腹直筋や腹横筋を鍛えられるため、腰痛改善と骨盤の調整に効果的です。

慣れてきたら、ツイストクランチもやってみましょう。仰向けに寝転がり、膝を曲げます。先ほどと同じ姿勢です。頭部を両手で支え、上半身を捻りながら持ち上げましょう。右肘を左膝に、左肘を右膝にそれぞれ近づけるように持ち上げます。呼吸を忘れないように、意識してくださいね。深層筋である腹斜筋も鍛えられるため、便秘の改善にも繋がります。

筋トレを続け骨盤を正常化しよう

骨盤底筋を鍛えるだけじゃダメ!鍛えるべき筋肉とおすすめの筋トレ5選

筋トレには、骨盤を正常な位置に戻すだけではなく、維持する効果も期待できます。さらに、腰痛・便秘解消、姿勢改善など多くのメリットがあるため、ぜひ続けるようにしましょう。ただし、筋トレ後の休息を怠らないように注意してくださいね。筋肉の硬化を招き、柔軟性の乏しい身体になってしまいます。