ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

正しいランニングフォームは骨盤から!

健康にも、美容にも効果的なランニング。しかしながら、正しいフォームで行わないと、膝や腰を痛めたり、消費カロリーが減少したりと効果が減少してしまいます。そこで本記事では、ランニング時の正しいフォームである骨盤前傾姿勢をご紹介しましょう!骨盤前傾は、「良くない」といった言葉を見聞きするのに、正しいフォームなのでしょうか…。ランニングと日常生活における正しい骨盤の位置も解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

ランニング時の正しい姿勢とは

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

本項では、正しいランニング姿勢を解説していきます。また、ランニング時と日常生活における姿勢の違いについても解説しますので、ぜひ使い分ける際に意識してみてくださいね。

理想のフォームは骨盤前傾

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

正しいランニングフォームは体幹を使って、前傾姿勢を保ちながら走ります。ランニング中、フラフラと前後左右に揺れながら走っていませんか?体幹を使った前傾フォームになっていないため、エネルギーが前後左右に逃げている状態です。このように軸が定まっていない状態で走ると、無駄なエネルギーを消費し、疲労感が蓄積してしまいます。

またフォームが安定していないため、膝や腰など怪我をしやすく、継続が難しくなるため注意が必要です。体幹を使って前傾姿勢で走ると、骨盤をはじめとして身体全体が自然に前方に傾きます。重心が前に行くことで、体重のみで加速・走行できるようになり、少ないエネルギーで効率的に走れるようになるのです。

骨盤前傾でランニングするデメリット

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

骨盤前傾でランニングするデメリットについても触れていきましょう。結論から申し上げますと、正しい前傾姿勢によるデメリットはありません。前傾姿勢を意識するがあまり、間違ったフォームになることでデメリットが生じるのです。

骨盤を前傾にしすぎると、バランスを保つために反り腰になる恐れがあります。反り腰でのランニングは、腰に過度な負担が集中するため腰痛の原因となり注意が必要です。また、腕振りがしにくく、肩甲骨から生じるエネルギーをランニングに反映できなくなります。正しいランニングには、肩甲骨から生じる推進力も必要です。

骨盤後傾でランニングするとどうなる?

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

骨盤前傾とは逆の状態である骨盤後傾でランニングすると、骨盤が落ち、ともなうデメリットが発生します。まず、後ろ足の蹴り出す力が弱くなってしまうため、ランニングのスピードが落ちてしまうのです。さらに、かかとから受けた衝撃が直接的に膝に加わります。そのため、膝の外側にある腸脛靭帯を痛めやすいのです。

また、脚の引き上げが弱く、歩幅が狭くなるのもデメリットでしょう。ランニングのスピードを上げにくいばかりか、すねや太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)に負担が集中しやすく痛みの原因になります。ランニング中またはランニング後に身体の痛みを感じたら、迷わずランニングを中断してくださいね。ランニングフォームが間違っている可能性があります。痛みが生じている状態でランニングを続けると、ランニングフォームの乱れが加速し、さらに痛みを生じさせるため、休息とランニングフォームの見直しが必要です。

日常生活の骨盤は前傾・後傾どちらがいい?

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

正しいランニングフォームは骨盤前傾ですが、日常生活では骨盤前傾・後傾どちらもさけなければなりません。骨盤が前後左右に傾かず、中立位(中間位)が望ましいです。ランニングと日常生活では、目的が異なります。

前方にエネルギーを効率的に伝えることが目的のランニングとは違い、日常生活では前後左右様々な方位へエネルギーを向ける必要があるのです。骨盤が前方に傾いた状態で後方にエネルギーを向けようとすると、エネルギーを止めるストレス的負荷が生じ、不必要なエネルギー消費と負担が生じてしまいます。そのため日常性釣活では、骨盤を中間位で維持し、あらゆる動きへ柔軟に対応できるようニュートラルに保つ必要があるのです。

ランニング姿勢のポイント6選

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニング姿勢は骨盤を前傾気味にし、全身を傾けエネルギーを効率的に前に伝える必要があります。しかしながら、ランニングフォームの修正は容易ではありません。間違ったフォームによる不調も生じやすいため、しっかりとポイントを押さえておきましょう。そこで本項では、ランニング姿勢のポイント6選をご紹介します。ランニングを始めようと思っている人や、ランニングで身体に痛みが生じている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

①ストレッチの重要性

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

正しい骨盤前傾フォームでランニングするには、骨盤の柔軟性が重要です。そのため、ランニング前にストレッチで身体をほぐしておきましょう。また、ストレッチは骨盤や周辺の筋肉だけではなく、肩甲骨などの肩周辺も行う必要があります。

その理由は、肩甲骨と骨盤が連動しているためです。肩甲骨を動かし腕が前後左右に振ると、骨盤も連携して前後に旋回します。これらのエネルギーを前方に伝えるのが正しいランニングです。ランニング前に必ずストレッチを行うこと、そして骨盤や下半身だけではなく、肩甲骨などの上半身部分も入念に行うことが重要です。ストレッチの方法については、下記記事を参考にしてくださいね。

②前傾姿勢のやり方

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニング時の正しい骨盤前傾姿勢のやり方をご紹介します。骨盤の上部を、後ろから軽く押されるようイメージし、腹圧を使って身体のバランスを整えるようにしましょう。腹部や腰に過度に力を入れると、身体全身に力が入り、走行時の衝撃による負担を受けやすくなってしまうため注意が必要です。また、必要以上に骨盤を前傾させると反り腰になり、こちらも不調の原因となります。骨盤と背中を一枚の板のように考え、上半身そのものを前傾させるイメージを持ちましょう。

次に意識するのは、肩甲骨です。前項でも解説したとおり、肩甲骨と骨盤は連動しています。そして、肩甲骨の前後で生じたエネルギーが、前方への推進力となり、走行時のスピードに繋がっていくのです。そのため、腕の振りを正しく行いましょう。ランニング姿を上から眺めた時、カタカナのハの字のような形で振れていることが理想です。前方へ大きく振るのではなく、後方に腕を引っ張る意識が重要になります。

③前傾姿勢のコツは体幹強化

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニング時の前傾姿勢を保つためには、体幹(体幹筋)が重要です。体幹筋とは、体幹を維持する筋肉の総称であり、頭部、首、腕を除いた上半身(胴体)にあります。姿勢の維持やバランスを保つ重要な筋肉です。

体幹筋が弱いまたは硬化していると、ランニング時にフラフラと身体が揺れてしまいます。腕の振りや骨盤の旋回で生み出したエネルギーが前後左右に散ってしまい、ランニングのメリットを減少させてしまうため注意が必要です。

正しいランニングフォームを維持するために、体幹強化も同時に行うようにしましょう。体幹を鍛えるおすすめの方法は、下記のとおりです。

〇プランク
〇ヒップリフト
〇ドローイング
〇腕立て伏せ
〇スクワット
〇ワンレッグプランク
〇プランクレッグレイズ
〇ヒップリフトブリッジ

ワンレッグプランクやプランクレッグレイズ、ヒップリフトブリッジは、ある程度体幹のある中級者から上級者向けのトレーニングです。前半の体幹トレーニングが容易になったと感じたら、徐々にレベルの高いトレーニングを取り入れるようにしましょう。

④前傾しすぎは要注意

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニング時は、骨盤が前傾であることが重要です。ただし、前傾のしすぎはトラブルの原因となるため注意しましょう。骨盤を前方に傾けすぎると、上半身は身体のバランスを保つため、腰を反らせるようになります。正常な背骨の形状であるS字が崩れ、走行時の衝撃が過度に伝わってしまう恐れがあるため注意が必要です。腰痛や背中全体の不調に繋がりやすく、上部の肩や首のデメリットにも繋がります。

また、腹部の張り出しと猫背の混合型になる恐れもあるためより一層の意識が必要です。猫背になると腕の振りが難しくなり、前方への推進力が生み出せなくなります。さらに、腹部が突き出すと腹筋が上手く機能せず、背中上部の筋肉(僧帽筋、広背筋、脊柱起立)に負荷が発生しやすくもなるのです。関節の動きに関わる腸腰筋、大腿直筋、縫工筋の炎症の原因にもなるため、骨盤の前傾度合いには十分に注意を払いましょう。

⑤骨盤前傾トレーニング

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

壁に両手をつき、肘を伸ばした状態で立ちましょう。身体を斜めに傾け、姿勢を維持します。この時、臀部が前方または後方に突き出てしまわないよう、身体が一直線になっていることを意識してくださいね。腹筋や背筋に力を入れ、片足ずつゆっくりと上げ下げしていきます。

太ももと床が平行になるように、太ももをしっかり上げることが重要です。20回~30回繰り返しましょう。太ももを上げた状態で、2秒~3秒維持するのも効果的です。ランニング前に行うのもいいですが、毎日続けると骨盤の前傾度合いが掴みやすくなります。

⑥トレーニングは前傾・後傾どちらもNG

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

ランニングと同時に、筋トレやストレッチなど何かしらのトレーニングを追加する人は要注意です。トレーニング時は、骨盤前傾・後傾どちらも正しい姿勢ではありません。骨盤が前方または後方に偏った状態でトレーニングをすると、トレーニングフォームが乱れるばかりか、身体の様々な箇所に不要な負担をかけてしまいます。痛みや炎症の原因になるため、十分に注意しましょう。

また、骨盤前傾・後傾姿勢によるトレーニングは、筋肉不均衡を生じさせる恐れがあります。左右非対称に筋肉が付きやすく、日常生活におけるバランスの乱れに繋がるのです。トレーニング時は骨盤を立て、ランニング時は骨盤から上半身を前方に傾ける意識に切り替えるようにしましょう。

正しいランニングフォームは骨盤から!

ランニング時の骨盤前傾は正しい姿勢なの?骨盤前傾姿勢のメリットとコツ

健康や美容のためにランニングを行う際は、骨盤を意識した正しいフォームで行うようにしましょう。骨盤を前傾に倒し、肩甲骨と骨盤の旋回によって生み出したエネルギーを、前方への推進力に変えるのです。こうすることで、少ない疲労感で最大限のランニングメリットを得ることができます。

身体への負担も少ないため、腰や膝を痛める心配がなく、快適にランニングを続けられるでしょう。正しいランニングフォームを身につけ、快適なランニングライフを送ってみてくださいね。