尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

尿意を感じてから排尿までの時間が短く、トイレに間に合わなかったなどの経験はありませんか?もしかすると、骨盤底筋が衰えている可能性があります。骨盤底筋が衰えると、排尿以外のトラブルも…。そこで本記事では、骨盤底筋が衰えることによって生じる排尿トラブルや、排尿以外のトラブルを解説します。骨盤底筋の衰えをチェックする方法もご紹介しますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

目次

骨盤底筋が衰えると排尿トラブルが起こる?

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋の衰えは、様々なトラブルの原因になります。そこで本項では、骨盤底筋が衰えることによって生じるトラブルを6つご紹介しましょう。

尿意を感じてから排尿までの時間が短くなる

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骨盤底筋が衰えると、尿意を感じてから排尿までの時間が短くなり、頻繁に尿漏れすることが増えます。骨盤底筋は、骨盤周辺にある膀胱、子宮、直腸などの臓器を保つ筋肉です。衰えると、これら臓器を適切な位置で保てなくなり、臓器は下がっていきます。下がった膀胱、子宮、直腸は、お互いに圧迫しあい、少量の尿が溜まっただけで、尿意を感じ排尿してしまうのです。骨盤底筋の衰えによって頻尿が発生するのも、臓器の圧迫が関係しています。

声を出した時に尿漏れする

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骨盤底筋が衰えると、下記のような日常的な動作一つで尿漏れすることが増えます。

〇声を出した時に尿漏れする
〇大きな声で笑った時に尿漏れする
〇くしゃみや咳をした時に尿漏れする
〇椅子から立ち上がった瞬間に尿漏れする
〇階段を登っている最中に尿漏れする

声を出す際、お腹に圧力が生じます。骨盤底筋が正常であれば、尿道を的確に締められるため、腹圧程度の圧力で尿漏れすることはありません。しかしながら、骨盤底筋が衰えると尿道を締める力が弱まり、大きな声を出して笑う際や、一般的な話し声で話しただけでも尿漏れすることがあるのです。腹圧が生じる瞬間は、声を出す時だけではありません。椅子や床から立ち上がる時や階段を登るときなど、日常生活において様々な瞬間に腹圧が生じます。

追っかけ漏れ(ちょいモレ)が頻発する

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骨盤底筋が衰えると、追っかけ漏れと呼ばれる尿漏れが頻発するようになります。追っかけ漏れとは、排尿直後に尿漏れが生じ、下着や衣服を汚してしまうことです。性別を問わず生じる排尿トラブルですが、尿道が長い男性に多く発生します。追っかけ漏れは、尿を絞りだす球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)の収縮が上手くできず、尿道に尿が残ってしまうことが原因です。球海綿体筋は、骨盤底筋の一つであり、男女ともに排尿に関わっています。

骨盤底筋は、大きな一つの筋肉ではなく、下記のように複数の筋肉が集合した筋肉群の総称です。

〇恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)
〇恥骨尾骨筋(ちこつびこつきん)
〇腸骨尾骨筋 (ちょうこつびこつきん)
〇深会陰横筋(しんえいんおうきん)
〇浅会陰横筋(せんえいんおうきん)
〇外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)
〇外尿道括約筋(がいにょうどうかつやくきん)
〇球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)

つまり、骨盤底筋が衰えると、上記筋肉に関連するトラブルが生じるようになるのです。

頻繁に排尿しなくなる

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骨盤底筋が衰えると、頻尿になりやすく、何度も排尿したくなります。尿漏れとは異なるものであり、衣服等を汚さないため「まだ楽な症状」「大したデメリットではない」と感じる人は少なくありません。しかしながら、当事者にとって頻尿は、生活の質を落とすだけではなくストレスの原因にもなる重大なトラブルです。

尿意を感じた瞬間、すぐに排尿できる環境であれば問題ありませんが、そうではない人が非常に多くいます。育児中は子どもから目を離せませんし、料理の最中に何度も手を止めることは大きなストレスです。仕事の会議中はもちろん席を外しにくく、一般的な業務の最中であっても、頻繁にトイレを利用することに引け目を感じてしまう人は少なくありません。

さらに深刻なのは、昼夜問わず頻尿に悩まされることです。寝ている最中も頻繁に尿意に襲われ、睡眠時間の減少による自律神経の乱れが生じます。一日中倦怠感を感じたり、頭痛や動悸、息苦しさを感じたりなど、不調が増えていくのです。

女性骨盤底障害

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骨盤底筋の衰えによって、骨盤底障害と呼ばれるトラブルが生じます。女性にのみ生じるトラブルです。骨盤底筋は、膀胱、子宮、直腸をハンモックのように下から支える役割を担っています。その骨盤底筋が衰えると、臓器を支えきれなくなり、膣から子宮が出てきてしまうのです(子宮脱)。

お腹に力を入れた時のみ、ピンポン玉程度の大きさの子宮が飛び出してくる、もしくは常時飛び出した状態になり股に何かが挟まっているような感覚になるなど、状況は異なります。また、飛び出すのは子宮だけではなく、膣壁と一緒に膀胱が飛び出すこともあり(膀胱脱)、排尿障害にも繋がってしまうのです。ちなみに、こうした女性特有の骨盤底筋に関わるトラブルは、決して珍しい現象ではありません。骨盤底筋の衰えによって生じる排尿トラブル、骨盤底障害等は、女性の約40%に生じているといったデータもあります。(参考

男性性機能障害

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骨盤底筋の衰えによって、性機能障害が発生する場合があります。性交痛、勃起不全、早漏、遅漏など、性別を問わず生じるトラブルです。性別を問わず生じるトラブルではありますが、特に男性の発生率が高くなっています。その理由は、勃起や射精に、骨盤底筋が深く関わっているためです。

勃起や射精は、前立腺、膀胱頸部、尿道括約筋、球海綿体筋が連動し、収縮等の運動が繰り返されることによって正常に行われます。(参考)骨盤底筋が衰えると、収縮等の運動が難しくなり、性機能障害を引き起こしてしまうのです。

骨盤底筋チェック方法

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骨盤底筋の衰えは、日常生活から性生活まで、様々なトラブルの原因になります。また、骨盤底筋の衰えは進行し、連動する骨盤、上半身・下半身の筋肉等の働きにも悪影響を与えるようになるのです。

そのため、骨盤底筋が完全に衰えてしまう前に、早期に発見し適切に対処しなければなりません。そこで本項では、骨盤底筋の衰えチェック方法をご紹介します。該当する項目が多いほど、骨盤底筋の衰えが進行している可能性がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

〇トイレに行く回数が増えた
〇尿意を感じていないのに尿漏れすることがある
〇突発的に尿が漏れることがある
〇身体を動かすだけで尿漏れすることがある
〇排尿後に残尿感を頻繁に感じる
〇下腹部または外陰部に痛みや不快感を感じる
〇便秘で困っている
〇入浴後に膣から水が漏れだすことがある
〇お尻が大きく下腹が出てきたと感じる
〇座っている時にひざの閉じにくさを感じる
〇性生活の満足度が低下していると感じる

全11項目の中で、いくつ当てはまる項目があったでしょうか。それでは、診断結果を解説していきます。

当てはまる項目が0個~1個

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋に、大きな問題はありません。ただし、加齢とともに骨盤底筋には衰えが生じるようになります。そのため、骨盤底筋を意識した生活を続けていきましょう。

当てはまる項目が2個~4個

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

やや骨盤底筋の衰えが考えられます。骨盤底筋の衰えが進行する前に、骨盤底筋を意識した生活スタイルに変えてみましょう。たとえば、フッとした瞬間に骨盤底筋を締めたり、緩めたりするだけで、骨盤底筋を適度に鍛えられます。

当てはまる項目が5個~7個

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋の衰えが進行し、日常生活にも影響を与えている状態です。骨盤底筋トレーニングを取り入れ、骨盤底筋を適切な状態に戻すように意識しましょう。また、骨盤底筋を衰えさせる生活習慣の見直しも重要です。骨盤底筋は、日常生活の些細な動作や習慣によって、衰えが進行します。そのため、日常生活を改善すると、骨盤底筋の衰えを食い止めることができます。

当てはまる項目が8個以上

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋の衰えが、非常に進行している状態です。日常生活や性生活など、様々な場面で不調を感じているのではないでしょうか。骨盤底筋は、他の筋肉と同様に鍛えることが可能です。そのため、すぐに骨盤底筋トレーニングを始めてみましょう。また、病院の受診もおすすめです。

骨盤底筋の衰え解消法

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

本項では、骨盤底筋の衰えを解消する方法をご紹介します。

生活習慣の見直し

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骨盤底筋は、日常生活の動作等に影響され衰えが進行する場合があります。重い荷物を持ち上げることが多い人や、同じ姿勢で過ごす時間が長い人は、骨盤底筋が緩みやすいため注意するようにしましょう。また、肥満や便秘も骨盤底筋が緩む原因です。食生活を見直すもしくは、定期的に運動するなど、新しい生活習慣を取り入れてみましょう。

骨盤底筋体操

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋の衰えには、骨盤底筋体操や骨盤底筋トレーニングがおすすめです。骨盤底筋は、他の筋肉と同様に鍛えることができます。ただし、一般的な筋トレのように、過度な負荷を与えると骨盤底筋の緩みに繋がるため注意が必要です。骨盤底筋を鍛える際は、他の筋トレとは違うと覚えておきましょう。

病院の受診

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

骨盤底筋の衰えによって、骨盤底障害など重大なトラブルが生じている場合は、病院の受診を検討しましょう。該当する診療科は、婦人科、泌尿器科、内科です。薬の処方により、トラブルの解決が期待できます。また、骨盤底障害の場合は、手術療法での治療が可能です。ペッサリーと呼ばれるリング状の器具を、膣内に挿入し、臓器を適切な位置で保つ治療法となっています。保険適用で受けられるため、骨盤底障害の心当たりがある人は、一度相談してみるといいでしょう。

骨盤底筋を整え日常生活の不調を解消していこう

尿意から排尿までの時間が短いのは骨盤底筋のせい?骨盤底筋が弱ると排尿トラブルが起こるのはなぜ

尿意を感じてから排尿するまでの時間が短く、トイレに間に合わないといったトラブルは、骨盤底筋が衰えているサインです。早々に、骨盤底筋を整え、適切な状態に戻すようにしましょう。骨盤底筋を鍛え整えると、日常生活の不調を解消することができます。ストレスを感じていた外出や、人とのコミュニケーションも快適になり、自信を持って日常生活を過ごせるようになるでしょう。