骨盤ウォーキングで心身ともに健康になろう
年齢や性別に関係なく、取り組めるウォーキング。身体の歪みを整えたり、筋肉量アップにも繋がるため、積極的に行ってほしい運動週間です。正しい姿勢で行うことが重要なのですが、残念ながら間違った姿勢でウォーキングしている人が少なくありません…。そこで本記事では、正しいウォーキング姿勢である骨盤を意識した骨盤ウォーキングのやり方をご紹介します!骨盤ウォーキングのやり方から得られるメリット、骨盤ウォーキングの押さえるべきポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
骨盤ウォーキングとは
まずは、知らない人のために骨盤ウォーキングのやり方をご紹介します。骨盤ウォーキングは、メリットが多いだけではありません。骨盤ウォーキング以外の姿勢でウォーキングを行うとデメリットが生じるため、ぜひ骨盤ウォーキングのやり方を身につけていきましょう。
骨盤ウォーキングってなに?
骨盤ウォーキングとは、骨盤の位置や向き、旋回を意識したウォーキング方法のことです。ウォーキングをする際、皆さんは何を意識して取り組んでいますか?脚首や膝を痛めないように脚の付き方、良い姿勢を意識した背すじの伸びなどではないでしょうか。
こうした末端への意識は不要ではないものの、正しいウォーキングの意識ではありません。正しいウォーキングの意識とは、骨盤から末端への意識です。末端にのみ意識を集中させると、全身を使ったウォーキングができません。一方、上半身と下半身の中間地点にある骨盤を意識すると、全身を使ったウォーキングが可能になるのです。骨盤は上半身と下半身の末端とも連動するため、骨盤が整えば、末端である脚の裏や頭部の位置までも改善されます。
骨盤ウォーキングのやり方
正しい骨盤ウォーキングのやり方をご紹介します。まず、骨盤を前傾・後傾に傾けず、左右均等に圧力がかかるよう意識しましょう。骨盤を立てると、連なる上半身が自然に真っすぐになります。反り腰や猫背になってしまう場合は、骨盤を正しい位置で保てていない可能性が高いです。
次に、肩甲骨へ意識を向けてみましょう。ウォーキング時に、腕の振りに注力する人は多いのですが、肩甲骨からではなく腕のみで振っている人が非常に多いです。肘や肩を痛める可能性が高く、肩こりの原因になる場合もあるため注意しましょう。腕を振る際は、上半身の上部にある肩甲骨から振る意識が重要です。腕を大きく振る必要はなく、肩甲骨から動かしましょう。
最後に、脚への意識です。ウォーキングをする際、前に前に脚を出すことのみを意識していませんか?脚は、前に出すのではなく、太ももを上に引き上げることが重要です。前方に脚を出すことのみを意識すると、重心が脚の外側やつま先などの先端に偏ってしまいます。骨盤の歪みや骨盤底筋の緩む原因になってしまうため、太ももを引き上げる意識が重要です。
骨盤ウォーキングの効果8選
本項では、骨盤ウォーキングで得られる効果を解説します。骨盤ウォーキングは、慣れない人にとってめんどうな行為です。「骨盤への意識?」「肩甲骨を動かす?」など、これまでと違うフォームに、続けたくないと感じるでしょう。しかしながら、骨盤ウォーキングには多くのメリットがあります。メリットを知れば、大変な骨盤ウォーキングも楽しんで続けられるようになりますよ。
①骨盤の矯正効果
骨盤ウォーキングには、骨盤の矯正効果が期待できます。骨盤は、上半身と下半身の中間地点に位置し、双方の影響を受ける部位です。重い荷物を持ったり、脚を組んで座ったり、日常生活の些細な影響を受け、歪みやすい部位だと言えます。前方に傾く前傾型、後方に傾く後傾型、左右に歪む左右歪み型、複数の偏りが集まった複合型など様々です。
骨盤ウォーキングでは、骨盤を正しい位置に保ちながらウォーキングを行うため、位置がずれた骨盤を正常な位置に戻す効果が期待できます。ただし、定期的に骨盤ウォーキングの実施が必要です。日常生活の影響を受けやすい骨盤の歪みを解消するためには、日常的なウォーキングが必要になります。
②筋肉不足・硬化の解消
骨盤ウォーキングには、筋肉不足や硬化の解消が期待できます。正しいウォーキングフォームである骨盤ウォーキングを続けると、これまで使われていなかった多くの筋肉を積極的に利用できるようになるのです。「ただウォーキングを続けるだけでも筋肉は使われるのではないか」と感じる人もいるでしょう。間違ったウォーキングフォームでは、特定の筋肉しか使われない場合が多いのです。ペンギンのように太ももを上げずにペタペタと歩いても、太ももの大きな筋肉である大腿四頭筋は活用できません。猫背でウォーキングを続けても、腹筋や背筋は使われません。正しいウォーキングフォームでウォーキングするからこそ、全身の筋肉を積極的に利用でき、筋肉不足の解消も期待できます。
筋肉の硬化解消も同様です。日常的に使用されない筋肉は、どんどん硬化し可動域も狭くなります。膝や肘を動かしにくいと感じたり、身体の屈曲が難しいと感じた経験はありませんか?使われない筋肉が硬化し、可動域が狭くなっている可能性があります。骨盤ウォーキングは、下半身だけではなく、上半身の筋肉も積極的に使用するウォーキングフォームです。全身の筋肉をくまなく利用するため、筋肉の硬化も改善できます。
③ヒップアップ効果
骨盤を意識し利用する骨盤ウォーキングでは、臀部の筋肉である大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)、大殿筋(だいでんきん)、中殿筋(ちゅうでんきん)、小殿筋(しょうでんきん)、回旋筋群(かいせんきんぐん)を利用します。表面上の大きな筋肉だけではなく、深部にある細かい筋肉一つ一つを動かせるのも特徴です。
臀部にある大きい筋肉や深部の筋肉を積極的に動かすため、ヒップアップ効果が大いに期待できます。骨盤ウォーキング以外でこれら筋肉を動かすには、ヒップリフトやバックキックなどのトレーニングが有効ですが、年齢や状況によっては実施が難しい運動です。そのため、年齢や性別を問わず行える骨盤ウォーキングは、非常に簡単でおすすめできます。
④O脚・X脚の解消
骨盤ウォーキングは、O脚(内反膝)やX脚(外反膝)の解消にも効果を発揮します。まずは、O脚やX脚の要因について解説していきましょう。O脚やX脚の要因として、運動不足、姿勢不良、歩き姿・立ち姿の重心の傾き、脚を組む癖などがあげられます。こうした生理的な変形は、骨盤ウォーキングで解消可能です。
ウォーキングを行うことで運動不足の解消が期待でき、正しい姿勢でウォーキングを行うため姿勢不良も解消されます。骨盤ウォーキングによって身についた正しい姿勢は、立ち姿や座り姿勢にもポジティブな影響を与え、結果としてO脚やX脚が解消されるのです。ただし、病気の影響によるO脚・X脚等の変形には影響しない可能性があります。骨の発育形成不全や靭帯の損傷など、病気や怪我の影響によるものであれば、専門機関で適切な治療を受けましょう。
⑤消化器系の活性化
骨盤ウォーキングには、消化器系の活性化が期待できるでしょう。骨盤ウォーキングを続けると、骨盤が正常な位置に戻り、周辺臓器も正しい位置に戻すことができます。つまり、骨盤の位置が前後左右どちらか一方に傾くと、骨盤の近くに存在する膀胱や直腸、大腸など重要な臓器も偏ってしまいやすくなるのです。
臓器が圧迫を受けると、消化器系の機能低下が生じ、下痢や便秘、消化不良が発生します。女性の場合、生理痛の悪化や生理不順など、婦人科系のトラブルも引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
⑥循環器系の活性化
骨盤ウォーキングは、血流やリンパなど循環器系にも影響を与えます。骨盤が傾くと、周辺にある血管やリンパ管を圧迫し、流れが滞りやすくなってしまうのです。冷え性やむくみが生じやすく、下半身太りの原因にもなりえます。また、循環器系が不調をきたすと、当然ながら臓器にも影響を与えるためより一層の注意が必要です。
⑦脂肪燃焼効果
全身の筋肉を効率的にかつ積極的に動かす骨盤ウォーキングには、脂肪燃焼効果が期待できます。脂肪燃焼のメカニズムを簡単に説明すると、摂取した脂肪を分解し、エネルギーとして消費するプロセスです。使用されなかった脂肪は、いざという時のために身体に蓄積されていきます。
脂肪が消費されるのは、筋肉や内臓を動かす時であり、運動などの活動量が多いほど積極的に消費されるのです。全身の筋肉を利用して行う骨盤ウォーキングには、高い消費効果が期待できますね。また、筋肉量増加にともなう基礎代謝の上昇も期待できるでしょう。基礎代謝は、一日の消費エネルギーの60%~70%を締める消費行動です。ダイエットを成功させるためには、この基礎代謝を上昇させることも非常に大切だと言えます。
⑧精神面のポジティブな変化
骨盤は、内臓を動かす自律神経や感情に関わる交感神経にも深く関わっています。骨盤が歪むと交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、健康的な生活が送れなくなてしまうのです。バランスの崩れは自律神経にも影響を及ぼし、精神に多大なストレスを与えます。そのため、骨盤ウォーキングで骨盤の位置を整える行為は、精神面にポジティブな変化をもたらすと言えるのです。
骨盤ウォーキングのコツ
最後に、骨盤ウォーキングのコツをご紹介します。
体幹を使った歩き方への意識
骨盤ウォーキングのコツは、体幹を使った歩き方への意識です。骨盤を正しい位置で保ちながらあるくには、体幹と呼ばれる体幹筋を活用する必要があります。体幹筋は胴体に存在する筋肉であり、日常生活の姿勢維持にも役立つ筋肉です。筋肉を上手く活用して歩けないと感じる人は、まずは体幹筋の強化からはじめてみるのもいいでしょう。
骨盤ウォーキング教室の利用
歩く際、痛みを感じるまたは、骨盤ウォーキングが上手くできないと感じる人は、骨盤ウォーキング教室の利用がおすすめです。地方自治体やチェーン展開されているトレーニング・ウィットネスジムなどで定期的に行われています。一日で完了する集中レッスン型や、定期的に通える定期型など様々あるため、ぜひ自分のスケジュールに合った教室を検討してみましょう。
骨盤ウォーキングで歪みを解消し心身ともに健康になろう
骨盤ウォーキングを身につけると、運動時の不調だけではなく日常生活で感じる様々なデメリットを解消することができます。また精神面へのポジティブな影響も期待できるため、ストレスを感じやすい人やストレスで悩んでいる人にも最適です。ぜひ正しい骨盤ウォーキングを身につけ、心身ともに健康になってみましょう。