骨盤の使い方であなたのゴルフが進化する
「ゴルフのスコアが伸びない」と悩んでいませんか?もしかすると、骨盤を活かしたスイングが出来ていない可能性があります。骨盤を上手く使えないとスコアが伸びないばかりか、腰や膝、首まで痛くなることも…。そこで本記事では、ゴルフのスコアを向上させる骨盤の使い方を徹底解説します。骨盤とゴルフの切っても切れない深い関係性もご紹介しますので、ゴルフプレイ中に不調を感じている人もぜひ参考にしてくださいね。
目次
骨盤とゴルフの深い関係性
ゴルフについて、腕や脚の筋肉を重要視する人が少なくありません。そのため「なぜ骨盤が重要なのか」と疑問を感じる人も多いでしょう。そこで本項では、骨盤とゴルフの深い関係性を基礎知識から徹底解説します。。
正確で美しいアドレス
ゴルフを行う上で、最も基本的で重要なのはアドレスです。アドレスとは、ボールを打つ際の構えを意味します。正確で美しいアドレスであれば、その後に続くスイングも正しく行えますし、スイングが正しく行えればミスショットも減少するため非常に重要です。
では、アドレスと骨盤がどのように関係しているか解説しましょう。正確で美しいアドレスのためには、以下の要素が重要になります。
〇スタンス(脚の位置)
〇アライメント(方向)
〇前傾の角度
〇腕の位置とグリップの位置
〇膝の使い方
〇身体の軸
〇重心
身体の様々な部位を正しい位置にセットし、維持することで正確なアドレスが完成します。この、セットと維持に深く関わっているのが骨盤です。骨盤は上半身と下半身を繋ぎ整える部位であり、姿勢を保つ役割も担っています。つまり、骨盤を使わずにゴルフをすることは本来非常に難しいことなのです。
ドライバーへのインパクト
プロゴルファーとアマチュアゴルファーの圧倒的な違いは、ボールの飛距離です。快音を響かせ、狙った場所まで飛ばせるのがプロゴルファーであり、アマチュアゴルファーには難しい所業でしょう。飛距離の違いは、スイングによるドライバーへのインパクトの違いから生まれます。プロゴルファーは飛ばすスイングを行い、アマチュアはボールに当てることを目的としたスイングを行うため、初速の違いによって飛距離にも大きな差が生じるのです。
初速を上げるためには、インパクト時にフェースを固定できているかが重要になります。もちろん、フェースの向きが理想的かどうかも重要です。また、ヘッドの加速も大切ですが、全て骨盤が関わっています。フェースの向きや固定には理想的な姿勢を作ることと、その状態の維持が必要です。姿勢は作れても、スイング過程で崩れてしまう人が少なくありません。ヘッドを加速させるには骨盤と上半身の連動、下半身の固定が必要ですが、やはり要を担っているのは骨盤です。
ゴルフと骨盤前傾・後傾姿勢
ゴルフスイングではスムーズな回転運動が求められるため、正しい前傾姿勢を保つことが重要です。上半身の前傾姿勢を維持するためには、当然ながら骨盤の位置が重要であり、骨盤周辺の筋肉や腱も十分に機能していなければなりません。さらに、前傾姿勢のまま回転する際も、骨盤の動きと都度の位置が大切になるため、骨盤とゴルフは密接に関係していると言えるのです。
ちなみに、ゴルフ時の前傾姿勢を骨盤前傾と混同する人もいますが、それは間違った認識だと言えます。骨盤前傾や骨盤後傾は、骨盤が前後どちらか一方に傾いた状態です。一方、ゴルフの前傾姿勢は、上半身を一枚板と考え、脚の付け根から上半身のみを真っすぐ前方へ傾けます。骨盤のみが前傾・後傾したり、首を折るように頭部が下に下がった状態でスイングを行うと、腰痛等の原因になるため注意が必要です。
股関節の硬化がゴルフにあたえるデメリット
ゴルフでは、骨盤のすぐ側にある股関節の役割も重要です。股関節は、大腿骨と骨盤のつなぎ目にある関節であり、体重を支えたり歩行・走行の衝撃を吸収したり、様々な役割を担っています。
この股関節が硬化すると内旋運動が制限され、スイング時の体重移動が難しくなってしまうのです。身体や腰がスライドし、軸がブレる(スウェー)ことによってミスショットしやすくなります。また、スイングにより生み出したエネルギーを上手くボールに伝えられないばかりか、関節や腱など弱い部分に集中し、痛みの原因になる場合もあるのです。
骨盤の歪みがもたらすデメリット
骨盤の歪みは、股関節の硬化を引き起こす要因となります。骨盤が歪むと、股関節の可動域が制限され、本来の働きができず次第に硬くなっていくのです。股関節が硬化すると、前項で解説したデメリットが生じます。
また、骨盤の歪みは正しい姿勢の維持が難しく、アドレス、スイング、インパクトとあらゆるゴルフの動作にデメリットを生じさせるため注意しなければなりません。
ゴルフを上達させる骨盤の使い方7つ
本項では、ゴルフを上達させる骨盤の使い方について解説していきます。
①骨盤の歪み・傾きを解消する
最も最初に行うべきことは、骨盤の左右への歪みや、前傾・後傾など前後への傾きを解消することです。骨盤の歪みは、アドレス、スイング、インパクトと様々なゴルフの動作に悪影響を与えます。そのため、骨盤の歪み・傾きを解消するだけで、ゴルフの動作に大きな変化をもたらすことが期待できるのです。
骨盤の歪み・傾きは、日常生活の過ごし方、筋トレ、ストレッチ、骨盤矯正グッズなどで解消できます。まずは、自分の骨盤が左右に歪んでいないか、前傾・後傾に傾いていないかチェックするところからはじめてみましょう。骨盤の歪み・傾きチェック方法は、下記記事で紹介していますので、ぜひ確認してみてくださいね。
【骨盤前傾特集】日本人は骨盤前傾・後傾どちらが多い?簡単チェック法と骨盤前傾が身体に与える影響はこちら
骨盤後傾型は前屈ができない?骨盤が後傾する原因とデメリット7つはこちら
②スイング時の骨盤の動かし方
ゴルフクラブはトップが大きく柄が長いため、腰の回転速度に比例してヘッドスピードが生まれます。では、どのような骨盤の動かし方が必要になるのでしょうか。まず、テークバック時は、左の骨盤が身体の前方に回り込むように動きます。同時に、尾てい骨や周辺の筋肉は、ボールの目標方向にわずかに動くのが特徴です。
身体が流れているわけではなく、骨盤の向きにともなう移動ですから、スウェーではありません。バックスイングからダウンスイングに切り替わる瞬間、左の骨盤は後方へ向かって回転します。インパクト直後は、右の骨盤が内側へ回転し、腰全体がボールの方向に向かってスライドするのが理想的です。
③骨盤の回転と腰の開き
骨盤を回転させるとスイングがスムーズになり、スピードやインパクトが上昇し飛距離を伸ばすことができます。骨盤の回転とは、左脚に体重をのせ、骨盤を旋回させる動作のことです。類似する動作として腰を開くといったものもありますが、腰を開くとはダウンスイング時に右脚に体重を残し、骨盤を旋回させる動作を意味します。左脚に体重をのせ骨盤を旋回させると、インパクトからフィニッシュにかけて振り抜きが良くなるため、飛距離の上昇が期待できるでしょう。
ちなみに、ゴルフスクールによっては「腰を止めて腕を振る」「腰は開かない」などのアドバイスもありますが、その方法が合っているのであれば問題ありません。インパクトの瞬間に詰まりを感じていたり、スイング時に腰の痛みを感じる人は、やり方が自分の身体に合っていない可能性があるため、新しいフォームを取り入れてみるといいでしょう。
④スイングでは骨盤を立てる
スイングでは、骨盤を立てることが重要です。しかしながら、骨盤を立てることに意識を向けすぎるがあまり、骨盤が前傾に傾きすぎ、反り腰になっている人が少なくありません。反り腰の状態では、クラブを大きく振ることもエネルギーをボールに伝えることもできないため、腹筋を使った骨盤の立たせ方を意識しましょう。
まず、スタンスは肩幅よりもやや広い程度に開きます。飛距離を伸ばそうと意識しすぎる人の中には、脚を大きく広げるワイド型が非常に多いです。脚の幅を広げ過ぎると軸が左右にブレやすく、ミートさせにくくなってしまいます。
次に、重心への意識です。重心は脚の裏の母指球より前に置くように意識してみましょう。そして、腹筋(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)それぞれを意識しながら骨盤を上半身に引き上げるように固定し、スイングをはじめます。骨盤は前傾気味も良くありませんが、後傾気味も正しくはないため、上半身側に引き上げるように立てるイメージを持ってくださいね。
⑤猫背の改善でダフリ・トップ解消
骨盤の過度な前傾による猫背は、ダフリやトップの原因になります。猫背は、身体が回転しにくく、手打ちスイングになりやすいためです。手打ちは、頭部の位置が動きやすく、ヘッドの軌道が安定しません。そのため、ダフリやトップに悩んでいる人は、自身の骨盤の状態を確認し、猫背になっていないかチェックしてみましょう。
ちなみに、猫背は、骨盤の前傾姿勢以外にも、肩や首周辺の筋肉が弱っている場合が考えられます。骨盤の矯正と合わせて、肩や首周辺の筋力強化も行ってみるといいでしょう。
⑥反り腰の改善で前傾姿勢の維持率アップ
臀部のみが突き出しているように見える反り腰は、身体に負担のかかる不自然な姿勢です。スイング時の上半身を倒す前傾姿勢が崩れやすく、腰痛の原因にもなるため注意しましょう。
反り腰を解消するには、骨盤と上半身を一つの個体と捉え、脚の付け根から前方へ倒すイメージを持つことです。ゴルフスクールでは、アドレスでは胸を張れと教えられることが少なくありませんが、胸を張ることのみを意識すると背中が反り返ってしまいます。また、反り腰の解消には、骨盤周辺と関連する上半身・下半身の筋肉強化も有効です。ただし、姿勢の維持が目的であり、決して力任せの手打ちになってしまわないように注意してくださいね。
⑦骨盤矯正ベルトを着用してのスイング
骨盤を固定または、骨盤と腰を固定する骨盤矯正ベルトは、姿勢の改善や腰痛解消にもつながるアイテムです。ゴルフ時に着用しても問題はありませんが、骨盤の旋回がわかりにくくなってしまうため注意しましょう。 骨盤は、複数の骨が集まる総称であり、周辺には多くの筋肉や腱が存在します。こういった筋肉と関連する上半身・下半身の筋肉が連動し、ゴルフスイング時の骨盤旋回が可能になるのです。そのため、骨盤矯正ベルトを着用しながらでは、一つ一つの動作を認識しづらくなります。
骨盤の使い方であなたのゴルフが進化する
骨盤の使い方によっては、ゴルフスコアの大幅な上昇が期待できます。また、スイング時に感じていた腰痛や膝の痛み、肩や首のコリなどの解消も期待できるため、ぜひ一度骨盤を意識したゴルフスタイルを試してみましょう。ただし、骨盤を活用するためには、骨盤や上半身、下半身の筋肉が重要です。そのため、筋トレやストレッチなど、筋肉の向上を目指すメニューの取り入れも検討してみてくださいね。