骨盤を矯正すると、腰痛や関節痛が緩和し、正しい姿勢を維持できるようになります。痩せやすい身体にもなるため、体型が気になる人にもおすすめです。しかしながら、骨盤矯正について”痛い”であったり”続けるのが辛い”といったイメージを持っている人もいるでしょう。そこで本記事では、とっても気持ちよく骨盤矯正できるマッサージ法をご紹介します。マッサージするだけで本当に骨盤を矯正できるのか、理由も合わせて解説しますのでぜひ参考にしてくださいね。
目次
マッサージだけで骨盤矯正できるって本当?
骨盤矯正には、様々な手段があります。整体や整骨院のような専門機関を利用する方法もありますが、「痛いのが嫌」「通う時間がない」といった人にはマッサージがおすすめです。しかしながら、なぜマッサージするだけで骨盤を矯正できるのでしょうか。そこで本項では、骨盤が歪む原因からマッサージの効果まで、詳しく解説します。
骨盤が歪む原因
骨盤が歪む原因として、以下のような要因が考えられます。
〇筋肉不足・不均衡
〇筋肉の硬化
〇病気・怪我
骨盤を維持するために必要な筋肉が不足すると、当然ながら骨盤が歪みやすい状態になります。筋肉の不均衡も同様です。筋肉量に左右差が生じると、どれだけ一方が骨盤を維持しようとしても、正しい位置で保てなくなります。骨盤が前後左右に傾きやすく、酷使された筋肉の硬化も進行するため注意が必要です。こうした筋肉不足・筋肉の不均衡による骨盤の歪みには、筋トレが効果を発揮します。不足した筋肉を補ったり、筋肉量の左右差を整えたりすることで、骨盤を正しい位置に戻すことが可能です。
二つ目の要因として、筋肉の硬化が考えられます。筋肉は、下記のような日常生活の過ごし方によって簡単に硬化してしまうのです。
〇不適切な姿勢で長時間過ごす
〇不健康な食生活・生活習慣を送る
〇運動習慣の欠如
〇過度なストレス(精神・肉体)
〇年齢による要因
食生活や運動習慣、ストレスや年齢などが積み重なり、筋肉は硬化していきます。硬化した筋肉は正常な働きが難しくなり、骨盤の維持も難しくなってしまうのです。こうした筋肉の硬化による骨盤の歪みには、マッサージが効果を発揮します。
骨盤が歪む三つ目の要因は、病気や怪我の影響です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、骨折など、病気や怪我の影響により、骨盤が歪む可能性があります。こうした病気・怪我の影響による骨盤の歪みには、専門機関の受診が必要です。マッサージや筋トレでは対処が難しく、適切な場所で治療を受ける必要があります。
マッサージと整体の違い
筋肉の硬化による骨盤の歪みには、マッサージが効果的です。マッサージには、自分で行う方法と、整体やエステを利用する方法が存在します。どちらを利用するべきか判断するために、それぞれのメリット・デメリットについて解説しましょう。
〇マッサージのメリット・デメリット
マッサージは、硬化した筋肉や腱をほぐし、不快感が生じている部位に優しくアプローチするのが特徴です。痛みがなく、リラクゼーション効果があるため、ストレス発散にも適しています。また、自分で行える点も、マッサージの大きなメリットです。忙しい現代人にとって、定期的に専門機関へ通うことは容易ではありません。スケジュール調整、移動、料金などの負担がなく、継続しやすいのがマッサージの特徴です。
腰痛に関する疑問・回答
整体では、基本的に手を使って不調箇所にアプローチを行います。整体・マッサージどちらも、施術後は身体が楽になったと感じられるでしょう。マッサージとの違いは、アプローチ箇所の深さです。整体では、より深部にアプローチすることができます。専門的な知識と技術を持ち合わせているためです。
しかしながら、全ての整体院がマッサージよりも深部にアプローチできるとは断言できません。整体は、民間の資格取得を推奨していますが必須ではなく、特別な資格や知識を持っていない人でも働けるからです。また、移動、料金負担も整体のデメリットだと言えます。整体院での骨盤矯正は、一度で完了するものではありません。変化を感じるには、一般的に2カ月~3カ月程度の期間が必要だと言われています。そのため、中期的に通う必要があり、スケジュール調整や費用負担がデメリットだと言えるでしょう。
マッサージ機は効果があるの?
骨盤矯正を行うため、市販のマッサージ機を利用する方法があります。マッサージ機は大型のものもあれば、骨盤周辺のみを揉みほぐす小型のものもあり、ライフスタイルに合わせられるところが魅力です。また、自分の手を使ってマッサージを行う必要がないため、楽なところも魅力でしょう。
デメリットは、料金とマッサージする範囲です。マッサージ機の購入にはお金が必要ですし、修理等で追加の費用が生じる可能性もあります。マッサージ範囲とは、マッサージができる場所のことです。骨盤を歪ませる筋肉の硬化は、何も骨盤周辺のみで発生しているわけではありません。上半身や下半身の筋肉が硬化していることによって、骨盤が歪むこともあるのです。そのため、低価格な小型のマッサージ機では対処できない可能性があります。しかしながら、大型のマッサージ機は高額であり、置く場所の用意も必要です。
骨盤矯正マッサージのやり方9選
本項では、骨盤矯正マッサージのやり方や、やるべき部位を詳しくご紹介します。
①腸骨マッサージ
腸骨とは、骨盤を構成する骨の一つであり、上部にある扁平上の骨です。お尻の割れ目が始まる部分から、横に10cmほどスライドさせた場所にあります。マッサージは、背中側から行いましょう。手のひらを使って、撫でるように触るだけでも筋肉の緊張感を和らげることができます。
触っても痛みがない人は、手のひらにある母指球を使って円を描くようにマッサージしてみましょう。背骨に向かって、腸骨を押し込むのも効果的です。3分間ほどマッサージすると、筋肉がほぐれ、下半身の血の巡りも感じられるでしょう。
②脊柱起立筋群マッサージ
脊柱起立筋群は、背骨を挟むように首から背中にかけて真っすぐ伸びている筋肉群です。硬化すると骨盤の歪みの他、腰痛や血行不良による手足の冷え・痺れが生じます。手のひら全体を使い、背骨にそって上下させていきましょう。30秒間ほど上下させた後、骨盤のやや上にある助骨下部を親指でグッと押し込んで完了です。
③広背筋マッサージ
広背筋は、背中の広範囲に広がっている大きな筋肉です。肩甲骨を安定させ、上半身の姿勢を維持することにも関わっています。広背筋が硬化すると、骨盤の歪み、運動パフォーマンスの低下、肩こりなどが生じるため注意が必要です。
マッサージは、親指以外の指を使います。腰から脇の下に向けて、ゆっくりと外側に撫でてみましょう。撫で終わったら、脇の下から小胸筋を挟み込み、円を描くようにマッサージします。小胸筋は、鎖骨から脇にかけて広がる胸筋の一つです。
④腹斜筋マッサージ
腹斜筋は、コルセットのように腹部を覆っている筋肉です。体幹の維持、上半身の動作サポートを行っています。腹斜筋が硬化すると、腰痛、呼吸の制限、動作の制限などのデメリットが生じるため、運動パフォーマンスの低下も懸念されるでしょう。
腹斜筋マッサージでは、最初に骨盤の出っ張りを探します。ズボンを履く際、引っ掛かりを感じる骨盤の最も上部にある部位です。骨盤の出っ張りを見つけたら、やや腹部側を指でマッサージしていきましょう。腹斜筋はがしとも呼ばれるマッサージ方法です。
⑤腹直筋マッサージ
腹直筋は、腹部中央に縦に伸びる筋肉です。体幹、姿勢の維持、腹部の安定に関わっています。腹直筋が硬化すると、腰痛、体幹のブレ、呼吸の制限などが生じ、日常生活に不快感が生じるため注意が必要です。
腹直筋マッサージでは、両手の親指以外の指を使用します。合計8本の指で、腹直筋をほぐしていきましょう。まず、へそに指を8本置いてください。小指が届かない場合は、指6本で行っても問題ありません。へそを起点に、少しずつ胸部に向けてマッサージしていきます。マッサージする際、左右にスライドさせるのがポイントです。腹直筋を真ん中から左右に切り分けるように、スライドさせながら上下に指を動かしていきましょう。
⑥腰方形筋マッサージ
腰方形筋は、背中の腰部分にある筋肉です。硬化すると背中や腰、肩に不快感が生じます。肩の高さが変わる、猫背になるなど、姿勢に関するトラブルが生じやすくなるため注意が必要です。
腰方形筋マッサージは、手のひらにある母指球を使用します。指先を下に向け、腰に母指球を当ててみましょう。円を描くようにマッサージします。母指球を使って、3秒から5秒ほど圧力をかける方法もおすすめです。
⑦大腿四頭筋マッサージ
大腿四頭筋は、太ももの前面にある筋肉です。下半身のバランスを保つ、動作サポートの役割があります。大腿四頭筋が硬化すると、歩行に支障をきたしたり、関節痛が生じたりなど、日常生活に多くのデメリットをもたらすため注意が必要です。
大腿四頭筋マッサージは、両手を使って行います。まずは、右の太ももから始めましょう。右の太ももを両手で包み込みます。親指が太ももの中央に、その他の指が太ももの側面にくるようなイメージです。親指の指先ではなく全体を使って、太ももを圧迫しながら膝から股関節に向けて動かしましょう。サランラップの芯やグリッドフォームローラーなど円柱状の物を使用し、上下に撫でるだけでも効果的です。
⑧内転筋群マッサージ
内転筋群は、太ももの内側にある筋肉群です。骨盤の安定に、非常に深く関わっています。大腿四頭筋マッサージと同様に、太ももを両手で挟み込み上下にマッサージしていきましょう。円柱状の物を使用し、上下に撫でるだけでもマッサージ効果があります。
⑨ハムストリングスマッサージ
ハムストリングは、太ももの後ろ側に位置する筋肉群です。膝の屈伸運動、骨盤の維持に関わっています。ハムストリングが硬化すると、骨盤が後方に傾きやすく、歩行や走行に支障をきたしやすいため注意が必要です。
ハムストリングのマッサージは、座り姿勢で行います。まず、長座の姿勢で座り、左右どちらの脚でも構いませんので、一方の膝を曲げ脚を立てましょう。膝から骨盤に向けて、太ももの裏側を上下に撫でます。痛みがない場合は、指で挟むように圧力をかけながら、上下に動かしてみてくださいね。
マッサージするだけでも骨盤を矯正できる
骨盤を矯正するために、「激しい運動を続けなければならない」「整体に通わなければならない」と思っていませんか?マッサージをするだけで、骨盤を矯正することは可能です。自分で行えば費用もかかりませんし、隙間時間を有効活用できるため忙しい人にもおすすめできます。また、痛みも感じないため、リラックス効果も期待できるでしょう。ぜひマッサージで、気持ちよく骨盤を矯正してみてくださいね。