産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の女性は、育児や身体のケアなど、やることがたくさんあります。特に骨盤ケアについて、「いつから始めればいい」「意味がないの?」など、疑問は尽きません。あちらこちらに情報が散らばっているため、何を信じたらいいのかわからない人も多いでしょう。そこで本記事では、産後の骨盤ケアに関する疑問と回答をまとめました。産後女性におすすめする骨盤矯正方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

産後の骨盤はどうなるの?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

本項では、産後の骨盤に対する疑問と、その回答をご紹介します。既に出産を終えた女性はもちろんですが、これから出産を迎える女性にも必要な情報です。ぜひ、産後に役立ててみてくださいね。

産後の骨盤は自然に戻るの?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の骨盤は、自然に妊娠前の状態に戻りますが、完全に元通りになるとは限りません。まずは、妊娠から出産までの骨盤の変化をご紹介しましょう。妊娠すると、女性の身体の中では、リラキシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。リラキシンの働きによって、骨盤や周辺の筋肉、靭帯がゆるみ、出産の準備が進んでいくのです。

リラキシンは、妊娠3カ月(12週目)から産後3日前後まで分泌され、その後は徐々に減っていきます。リラキシンの減少にともない、緩んだ骨盤は徐々に妊娠前の状態に戻っていくのです。ちなみに、妊娠や産後の女性の身体には、リラキシン以外にも大きな役割を果たすホルモンが分泌されています。

〇卵胞ホルモン(エストロゲン)
〇黄体ホルモン(プロゲステロン)
〇プロラクチン
〇オキシトシン
〇黄体形成ホルモン(LH)
〇性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
上記ホルモンは、妊娠初期から後期にかけて分泌されるホルモンです。これらホルモンの働きを知っておくと、妊娠から産後の身体の変化にもスムーズに対応できるでしょう。

産後の骨盤の開きはいつ戻るの?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

骨盤は、産後3カ月から6カ月までに、徐々に妊娠前の状態に戻っていきます。リラキシンの分泌量が、徐々に減少していくためです。骨盤だけではなく、骨盤周辺の筋肉や靭帯も整っていきます。しかしながら、全ての女性が妊娠前の状態に戻るわけではありません。骨盤だけではなく、体重やボディラインの変化は、個人によって大きな違いがあります。一般的には下記周期で変化すると言われていますので、ご紹介しましょう。

〇骨盤の戻り:産後3カ月~6カ月
〇体重の戻り:産後1カ月~6カ月
〇体調の戻り:産後1年以内
〇腰痛等の改善:産褥より1カ月~3カ月
〇ホルモンバランスが乱れやすい時期:産後3日~5日
〇ホルモンバランス(母乳育児):産後3カ月~6カ月
〇ホルモンバランス(母乳育児以外):卒乳より3カ月後

出産によりダメージを受けた身体の戻りは、産後の生活スタイルやホルモンのバランス等に影響されるため、個人差が大きいです。そのため、身体の変化に関する周期は、あくまでも目安として捉えるようにしましょう。

産後の骨盤矯正は意味がないの?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の骨盤矯正は、「意味がない」という噂が存在します。噂の意味は、二つありますので、一つ一つ解説していきましょう。一つ目の意味は、骨盤はホルモン分泌によって自然に戻るため、骨盤矯正を行う必要がないという意味です。確かに、骨盤は、リラキシンの分泌量の減少にともない、自然に妊娠前の状態に戻ります。しかしながら、全ての女性が妊娠前の状態に戻るわけではありません。十分な休息がとれない女性や、ホルモンのバランスが乱れている女性、その他の様々な要因によって、骨盤の戻りが芳しくない人も珍しくないのです。こうした女性にとって、骨盤矯正を行うことは無意味ではありません。

二つ目の意味は、骨盤矯正は産後ではなく妊娠中に行うべき行為であり、産後に行っても手遅れという意味です。一部医療機関や整体等の専門機関では、妊娠中の骨盤ケアを推奨しています。妊娠初期から始めるのが理想と発信する機関もあり、マタニティマッサージや、マタニティ整体なるメニューも存在するのです。妊娠中の骨盤ケアについては、個人の判断に委ねますが、産後の骨盤ケアが無意味である理由にはなりません。妊娠中の骨盤ケアと産後の骨盤ケアに関する論文はなく、どちらが効果的であるか、また骨盤の変化の度合いがどの程度かなど、明確な研究結果は現時点で存在しないのです。

産後に骨盤矯正をすると後悔する?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の骨盤矯正には、「後悔する」といったコメントも散見されました。産後に、整体やエステ等で骨盤矯正施術を行ったのに、変化が見られないことへの後悔のようです。では、本当に骨盤矯正は変化が感じられないのでしょうか。

骨盤矯正を行ったのに「意味がなかった」「変化がなかった」と感じる原因として、二つの要因が考えられます。一つ目は、骨盤矯正の誤認です。骨盤矯正は、骨盤の位置を正常な位置に戻し、歪んだことによって生じていたデメリットを解消するために行います。つまり、骨盤の歪み以外の要因で生じているデメリットの解消は、難しいのです。また、骨盤矯正を行うと、痩せると考える人がいます。骨盤を矯正することによって、身体のバランスが整い、運動パフォーマンスの向上による減量効果は期待できるでしょう。骨盤を矯正しただけで、体重が減少するわけではありません。

二つ目は、適切な骨盤矯正ができていない可能性です。骨盤を矯正するには、骨盤の状態を的確に見極めること、骨盤に関連する骨格や筋肉、腱に的確にアプローチすることが求められます。こうした知識・技術を持ち合わせていない機関や店舗で施術を受けても、骨盤矯正のメリットは得られないのです。それでは、どのようにして適切な機関・店舗を選べばいいのでしょうか。ポイントは〇つです。

〇施術者の資格を確認する
〇謳い文句を見極める
〇口コミを見極める
〇2カ月~3カ月通ってみる

施術者に知識・技術があるのか見極めるためには、保有資格が参考になります。国家資格である柔道整復師、民間資格である整体師、その他どのような資格を保有しているのか、事前に確認してみましょう。謳い文句や口コミは、重要な判断材料になります。「骨盤が小さくなった」「すぐに治った」など、医学的根拠の乏しい内容を掲載している場合は、注意が必要です。口コミの多さに惑わされることなく、内容を見極めるようにしてみましょう。最後は、適切な期間の継続です。骨盤矯正は、1回で劇的な変化をもたらす施術ではありません。定期的な施術によって徐々に変化するものであり、一般的に2カ月~3カ月ほどの継続が必要だと言われています。そのため、すぐに意味がなかったと判断するのではなく、継続してみるのもおすすめです。

産後の骨盤矯正に行かなかったらどうなる?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後に骨盤矯正に行かなかったとしても、問題はありません。骨盤矯正を行わなくても、産後の女性の身体は、徐々に妊娠前の状態に戻っていきます。完全に妊娠前と同じ状態には戻りませんが、生活に支障がない程度まで自然に戻っていくのです。

そのため、婦人科の医師や看護師、助産師等の中には、骨盤矯正は必要がないと発信する人もいます。ただし、妊娠中または産後の骨盤の痛みについては、医師への相談を推奨していますので、放置してもいいと勘違いしないようにしましょう。

産後の骨盤矯正にはさらしが良い?

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の骨盤矯正方法として、さらしを巻く行為が注目を集めています。腹部から骨盤上部にかけて、さらしを巻くと、骨盤矯正だけではなく腰痛解消等も期待できるようです。また、整体や整骨院に定期的に通う必要がなく、忙しい産後女性でも続けやすく、取り入れる女性が増えつつあります。

ただし、産後のさらしは、巻き方や始める時期に注意しましょう。間違った巻き方をすると、血管やリンパ管を圧迫し、不調の原因となります。ホルモンバランスが乱れやすく、身体の変化が大きい産褥期はできるだけ避け、体調と相談しながら始めるようにしましょう。

産後におすすめする骨盤ケア方法4選

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

本項では、産後におすすめする骨盤ケア方法を5つご紹介します。体調と相談しながら、最適な方法を選んでみてくださいね。

①日常生活の改善(座り方・立ち方)

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

座り方や立ち方など、日常生活を改善するだけでも、骨盤を整えることができます。また、骨盤の歪みも防ぐことができるため、ぜひ意識してみましょう。まずは、座り方への意識をご紹介します。座る際は、背すじが伸びていることが理想ですが、背中を伸ばすのではなく骨盤を立てるように意識しましょう。

椅子に座る際は脚組みなどをせず、骨盤が前後に倒れてしまわないように意識してください。また、授乳時などであぐらをかく際も、骨盤を立てる意識が重要です。クッションをお尻の骨(坐骨)の下に置くと、自然と骨盤を立てることができます。立って過ごす際は、左右均等に重心を乗せるように意識しましょう。荷物を持つ際も、どちらか一方の腕または肩を使うのではなく、均等に使い分けるようにしてみてください。

②骨盤矯正ベルト・ガードル

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

骨盤矯正ベルトやガードルは、産後の忙しい女性におすすめです。着用するだけで骨盤を適切にサポートしてくれるため、家事や育児が忙しくても継続できます。ただし、サイズと圧迫の度合いには注意が必要です。骨盤矯正ベルトやガードルは、圧迫感が強ければ強いほど優れているわけではありません。強く圧迫すると、うっ血等のトラブルに繋がるため、自分の身体に合ったサイズの物を使用する必要があります。

③骨盤矯正ストレッチ

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の女性には、骨盤矯正ストレッチがおすすめです。骨盤矯正体操や骨盤矯正トレーニングなどもありますが、少なからず身体に負荷を与えるため、産褥期や産後1年間は骨盤矯正ストレッチがおすすめです。ストレッチには、リラックス効果もあり、心身のリフレッシュも期待できるでしょう。

④骨盤矯正整体・整骨院

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後の女性の身体は非常にデリケートなため、整体や整骨院などの専門機関を利用する方法もおすすめです。ただし、整体や整骨院は、2カ月~3カ月程度継続する必要があります。数回の施術では、変化が乏しく、意味がなかったと感じやすいためです。

産後は骨盤ケアも重要だがまずは身体の回復を優先して

産後の骨盤に関する疑問を徹底解説!産後の骨盤ケア法4選

産後は、骨盤ケアも重要ですが、まずは身体の回復を優先しましょう。女性の身体は、妊娠・出産という大事なイベントを乗り越えて、大きなダメージが蓄積している状態です。身体の回復を後回しにし、骨盤ケアやボディラインの回復を優先すると、様々なトラブルを引き起こす恐れがあります。自身の身体を労わりながら、徐々に骨盤ケア等に取り組んでみてくださいね。