身体の痛みを解消し、運動パフォーマンスも向上させる骨盤矯正。近年では、骨盤矯正の痩せ効果にも注目が集まり、やってみたいと思う人が増加中です。骨盤矯正には、整骨院を利用する方法や、自分で行う方法など様々な手段があります。特に人気が高いのは、整骨院での施術です。そこで本記事では、骨盤矯正を行う際、なぜ整骨院の人気が高いのか詳しく解説していきましょう。整骨院を利用するメリットもご紹介しますので、骨盤矯正の方法で迷っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
骨盤矯正と整骨院の関係性
整骨院について、「病院とは何が違うのか」「整体と同じではないか」と考える人がいます。そこで本項では、整骨院と、その他の専門機関との違いを解説します。また、骨盤矯正に関する誤認識を持っている人も少なくないため、骨盤矯正の正しい情報についてもご紹介していきましょう。
骨盤矯正とは
骨盤矯正とは、骨盤を正しい位置に戻し、維持するために必要な筋肉や腱を整え正常化することです。骨盤矯正では、骨盤を正しい位置に戻して終わりと考える人がいます。しかしながら、骨盤は様々な動作に深く関わっているため、日常生活の影響により再び歪んでしまう恐れがあるのです。そのため、骨盤を正しい位置に戻すだけではなく、再び歪んでしまわないように筋肉や腱の機能を正常化することも必要になります。
ちなみに、骨盤矯正で誤認識が多いのは、骨盤そのものの形状を整えるといった考え方です。骨盤は、複数の骨から形成されています。成長期や、骨量が急激に減少する50代以降のような特定の時期、骨粗鬆症や変形性等の病気が発生しない限り、骨そのものの形状は変化しません。つまり、骨盤矯正とは、骨そのものの形を整える、修正する行為ではなく、骨盤の位置を正す行為です。
整骨院とは
整骨院とは、国家資格である柔道整復師が開業、施術を行う施設です。冷罨法(れいあんぽう)、温罨法(おんあんぽう)、マッサージなど、様々な物理的療法を行える場所であり、骨や関節の痛み解消や損傷の回復サポートも期待できます。
また、専門的知識と技術を持ち合わせているため、姿勢の矯正、O脚(内反膝)やX脚(外反膝)の矯正、打撲や脱臼などの急性外傷への対処も可能です。
接骨院とは
整骨院と類似する言葉として接骨院と呼ばれる施設があります。接骨院は、名称が異なるだけで整骨院と同様の施設です。接骨院、整骨院どちらも、国家資格である柔道整復師でなければ開業できません。
交通事故によって生じた怪我への対処、ストレッチやリハビリトレーニングなども行える施設であり、整復法、固定法、後療法によって様々な症状を解消します。
整体とは
整体とは、マッサージ等により身体に生じた痛みや不快感を解消する施設です。リラクゼーションの効果も高く、疲労回復や心理的ストレスの緩和・解消、姿勢の改善が期待できます。整骨院(接骨院)との違いは、大きく分けて二つあります。
一つ目は、資格の有無です。整骨院(接骨院)を開業するためには、柔道整復師と呼ばれる国家資格を取得する必要があります。整骨院(接骨院)で働くだけであれば資格取得は不要ですが、その際は柔道整復師と名乗ることはできません。一方、整体には、整体師、カイロプラクター、セラピストなど民間の資格があります。ただし、整体院を開業したり、整体院で働いたりする際、これら資格取得は必須ではありません。そのため、店舗によって技術や施術に大きな違いがあります。
二つ目の違いは、保険適用です。整骨院(接骨院)は怪我の要因や状況によって、保険適用になります。保険適用になれば原則治療費の3割負担、乳児や70歳以上の年配層であれば1割~2割負担での施術が可能です。一方、整体での施術は保険適用外になります。整体師は民間の資格であり、整体の利用目的は急性外傷によるものではないと判断され、保険適用条件に該当しないためです。
整形外科とは
整形外科は、医療組織に属する診療科の一つです。運動器の疾患を専門に取り扱う科であり、骨や関節、筋肉や神経系など様々な部位の機能改善が期待できます。基本的に保険適用のため、利用者は料金の1割~3割程度で済むのが特徴です。
専門的知識と技術を持ち、保険適用で治療が受けられるのであれば、整骨院よりも整形外科にいくべきではないかと感じる人もいるでしょう。整形外科は、外科的治療も行うため、症状や原因によっては、手術が必要になります。そのため、身体に傷を残したくない人、手術に抵抗を感じる人にとっては、整骨院が人気であり適しているのです。ただし、変形性等の病気が要因で骨盤に歪みや痛みが生じている場合は、外科的治療が必要であり、整骨院だけでは対処できない可能性があります。
骨盤矯正で整骨院を利用するメリット5つ
骨盤矯正のために、整骨院を利用するメリット5つをご紹介します。整体や整形外科との違いも詳しく解説しますので、骨盤矯正を検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
①骨盤矯正が必要か否か判断してもらえる
一つ目のメリットは、骨盤の状態を正しく把握してくれる点です。骨盤は身体の内部に存在するため、自分だけで正確な位置を把握することは困難だと言えます。骨盤の位置を自分でチェックする方法はいくつかあるものの、個人のさじ加減やチェック時の状況によって正確ではない場合も生じるのです。
一方、柔道整復師は、解剖学、生物学、運動学、病理学概論等、多くを学び試験に合格した人体のエキスパート。骨盤の状況や骨盤に影響与えている部位、発生しうる不調も把握できるため、個人の見立て以上の正確性があります。こうした理由から、骨盤矯正目的で整体院を利用すると、骨盤矯正の必要性を正確に判断してもらうことが可能です。本当に骨盤矯正が必要なのか、骨盤矯正以外の施術が必要なのか判断してもらうと、解決策も変わり、より早期の回復・解消が期待できるでしょう。
②専門的知識による的確な矯正
整骨院では、専門的知識に基づいた的確な矯正が可能です。骨盤矯正には、下記のように様々な方法が存在します。
〇骨盤矯正体操
〇骨盤矯正ストレッチ
〇骨盤矯正トレーニング
〇骨盤矯正グッズ(椅子、ベルト等)
自分一人でも行えるため、マイペースに続けられるところがメリットです。しかしながら、独自の判断に影響されるため、正しく骨盤を矯正できないケースも少なからず生じます。整体院では、骨盤の状態を正しく把握したのち、一人一人に適した施術を行うため非常に的確です。
また、痛みや不快感の解消のスピードもメリットでしょう。的確な施術を行うと、それだけ早く症状が解消されます。痛みや不快感により、日常生活に大きなストレスを感じている人にとっては、特に大きなメリットです。
③特別な機器を使用した施術が受けられる
整骨院では、特別な機器を使用した最適な施術が受けられます。まずは、整骨院にはどのような機器が用意されているのか一部ご紹介しましょう。
〇低~高周波治療器(1Hz~10,000Hz以上)
〇微弱電流治療器
〇超音波治療器
〇赤外線治療器
〇温熱機
〇ハイボルテージ(高電圧パルス)
〇MCR(マイクロカレント)
〇3DF Motion Wave(3次元ゆらぎ振動波)
〇ウォーターベッド
インナーマッスルを鍛える機器や、神経や筋肉の興奮・緊張を和らげるマシン、損傷組織の修復サポートができるマシンなど、あらゆる特別な機器が揃っています。熱による血流促進効果や循環器系の回復が期待できるマシンなどもあるため、骨盤の矯正だけではなく痛みや不快感の解消も大いに期待できるのです。
こうしたマシンは、類似品ではありますが一般向けに販売されています。しかしながら、出力(パワー)等が圧倒的に異なり、整骨院や専門機関でしか利用できないマシンがほとんどです。ただし、全ての整骨院に、こうした機器全てが揃っているわけではありません。整骨院の規模によって、揃っている機器は異なるため、特別な機器を使用してみたい人は事前に確認しておくといいでしょう。
④保険適用になる
整骨院は、整形外科と同様に保険適用での施術が可能です。ただし、保険適用になるためにはいくつか条件があります。
〇骨折、脱臼、打撲、捻挫等に関する施術を受けた場合
〇医師の同意が得られている場合
整骨院で保険適用の施術を受ける場合、医師の判断によって保険適用か否かが決まります。ただし、整形外科等で治療を受けながら、同時に整骨院での保険適用による施術は受けられません。整形外科に通っていたり、投薬を行っている場合は、整骨院の施術料金は全額自己負担となります。
⑤アドバイスが受けられる
整骨院では的確なアドバイスが受けられるため、骨盤を正しい位置で保ちやすくなります。骨盤は、激しいスポーツや激しい衝撃など、一時的な要因で歪むわけではありません。日常生活の姿勢や運動量、特定部位への負担など日頃の過ごし方に影響され、前後左右に歪んでしまうのです。
そのため、日頃の過ごし方を改善しない限り、整骨院での骨盤矯正は一過性のものになってしまいます。再び骨盤が歪み、不調が生じるようになるのです。整骨院を利用すると、日常生活の改善アドバイスや、正しい姿勢を教えてもらうことができます。避けるべき動作や、積極的に行うべきストレッチ等の助言も受けられるため、骨盤の歪みを防ぐことができるのです。骨盤の矯正を行いたい人はもちろんですが、骨盤を正しい位置で保つポイントが知りたい人にも整骨院は適していると言えるでしょう。
整体院で骨盤を矯正してみよう
骨盤を矯正したい人にとって、整体院での施術は大変おすすめです。整骨院を利用すると、一時的に痛みや不快感が解消されるだけではなく、骨盤を正常な位置で保つ方法も知ることができます。また、骨盤以外の要因も見つかる可能性があるため、定期的な利用も良いでしょう。ただし、整体院は施術者が全員国家資格を保有しているわけではなく、使用する専用機器にも違いがあります。そのため、通う前にホームページ等で情報を収集しておくと安心ですよ。